サラ劇 4 琴 線 H11・2/21
| サラ−3へ 田畑と高木と江川はある研修に出ていた。 「哀愁という言葉があります。皆さんとは分野が違いますが音楽のマーケットにおいては郷ひろみのよろしく哀愁 哀愁のカサブランカ サンタナの哀愁のヨーロッパ 特にサンタナの曲は原題は「Europe」なのですがCBSソニーの社員が哀愁という邦題を追加しそのおかげで100万枚売り上げたと言われています。 悲しいというタイトルの歌もかなりあります。 悲しき願い 悲しき街角 悲しき雨音 哀しみよ今日は。美空ひばりの悲しい酒みんなヒットしていますね。 本では、椎名誠の哀愁の街に霧が降るのだ!・・今日は雪が降ってますけどね・・とコンサルタントは窓に目をやり笑みを浮かべたので聞いてる人達からハハっという笑い声が漏れた。 これは何故かといいますと 哀愁とか悲しみという言葉が日本人の琴線に触れるからです 古来日本人の心に脈々と流れている感情の基本線ともいいますか。だからこの琴線に触れるような商品を創造していけば売れるのは間違いありません。」・・・・・垂れ流しのように話が流れている。みんな古い歌で知らない連中が多いのにと高木が思っていると 「課長、きんせんって何ですか?」 江川が聞いた。 「琴線 琴の線って書く。お前が不自由してるのは金銭!悪銭身に付かずというだろ。 いい加減 マージャンやめたほうがいいぞ。この前事務の海ちゃんが言ってたぞ。マージャンに誘われたって。素人いれてどうすんだ! いいぺいこうって食っていいのとか聞く子だぞ何回教えてやっても」 「いやそれは(もごもごしながら)・・女の子がいたほうが面白いじゃないですか。 課長もたまにどうです。指先使うとアルツハイマーにならないらしいですよ。」 「お前と一緒にするな。俺はな生命保険を解約してまでやる奴とか 博打のカタは女房を質屋に入れてまでとか そういった連中と打ってたんだぞ。 ウィスキーで言えば お前は二級酒俺は特級酒だ。新宿のタバータと呼ばれてたんだから (どうしょうもないたとえ、を言っちまったかと田畑は思った。今は酒に級はないのである。) 。・・・ちょっといいすぎたかな。新宿のタミーラ さんに悪かったかな〜・・・また思う田畑であった。) ![]() |
注 タミーラ(田村光昭) マージャン界において最強位(最高位だったか)を取りタミーラの名で劇画などに数多く登場した色男。昭和50年代後半から灘麻太郎とか 博多から上京し無冠の帝王と呼ばれ爆撃弾のような手を作る小島武夫と鎬を削った人物 。その手合いは決して大きい手を狙わず上がりが速い。 ・・・・・・・・・・ 「分かりましたよ。で琴線ってどういう意味ですか。」 「・・・お前 寅さんの映画見たことあるだろう。 毎回マドンナが出てくるけど、結局寅さんはマドンナと一緒にはなれない あれを見て寅さんが可愛そうだとは思わないだろ。ヨッ 寅次郎!次はがんばれ! くらいは思うけどそして最後にあのテーマ曲が流れるんだ。 そのとき人のこころっていいなぁ〜ってジーンとくるんだよなぁ〜ハックマンじゃないけど。バックには夕焼けがうっすらと、 うんうんいいいい。」と田畑は小首をふった。 「うんうん」と江川も小首をふり「にほんじんなんですよねぇ〜やっぱりお盆としょうがつは」 「日本は四季がはっきりしてるから、こころも季節によくたとえられるだろ。 江川の心はブリザードとか、ははっ」 「結局泣きのギターとかに日本人弱いんですよね。サンタナもそうだし、ゲイリームーアのパリの散歩道とか、最高ですよね。むせび泣くっていうか、俺もギターが泣いているとよくいわれますよ。」後ろから高木が口を出した。 「・・・・・高木お前のなんだっけ・・ラビットうさぎだったかお前のバンド?」 「かちょー違いますよ!グレートタイガーラビット GTRだってこの前教えたでしょ。」 注ーGTRはここへ 「海ちゃんに高木ってどんなバンドやってるんだとこの前聞いたら、ぱんくっていうみたいと言ってたぞ。 ようするに破裂するほどひどいってことだろ おまえのは!」 「違いますよ、だいたいアクセントがおかしいですよ!ぱんくじゃなくてパンクなんだからもうっ!」 確かに高木のギターは泣いていると江川は思った。地下のほらあなみたいなライヴハウスで飛行機が落ちるような音を出しマイクスタンドや股間にグリグリこすりつけられたりしているのだから30万もすると言ってたナントカポールも泣きたくなるもんだ。 ・・・・・・・・・・ 琴 線 感じやすい心情。心の奥に秘められた、感動共鳴する微妙な心情。「―に触れる」広辞苑より サラ−5へ |