7.料理天国
 
 今回は食べ物の話です。中国とフランスに長年支配されたベトナムの歴史は、中国料理とフランス料理がベースの料理のおいしい国ともなりました。南国で海と川に囲まれていますから、海の幸と山の幸が豊富に入手できます。ベトナム戦時下でも、庶民は今の日本人よりはるかに恵まれた食生活をしていたと書いたジャーナリストがいます。

 ベトナムは「料理天国」という別名があります。 南国の豊富なフルーツがおいしいのは当然として、未冷凍の魚や肉の料理、ベトナム春巻き、ココナツミルクを使用したデザート、フランスパン(国営の工場で作られ、どこでも味が同じらしいです)、練乳を入れて飲むベトナムコーヒーなども美味でした。でも1番はベトナムの汁麺、フォーです。フォーのおいしさは、友人とふたり大感動でした。帰国後、銀座のベトナム料理店へ出かけたりしましたが、現地で食べたおいしさは味わえませんでした。

市場で野菜を売る少女。
 
 売られているアヒルと鶏。
 
 珍しい食べ物としましては、孵化寸前のアヒルの卵を茹でたものでしょうか。卵の殻の中で、ヒナの形に成長している過程のゆで卵です。孵化何日前かによってヒナの成長が違いますから、味も微妙に違うようです。写真では孵化寸前のゆで卵の中身は、殻の中に押し込まれている、濡れた羽毛に覆われた血管の見えるヒナという感じです。

 誕生寸前にゆでられるヒナが可哀想に思ってしまいますが、とてもおいしいようで、ベトナム人は大好きらしいです。
 ホテルの朝食で観光客向けに、ヒナがほとんど形になっていない、つまり日本の普通のゆで卵状態に近いものを出してくれたようですが(食事が終わって席を立ったときに、女性のシェフが話してくれました)。
 そうとは知りませんから、ゆで卵の中から、羽毛に覆われたヒナの体や、目や嘴や足などが出てきそうで殻を割ることは出来ませんでした。

 熱帯地方の旅行ガイドブックには、コレラを始めとする、恐怖感を覚えるほどの色々な伝染病と、生ものを口にしないように、との注意書きが必ず掲載されています。安全をきして高級めのレストランとホテルのみでの食事でした。
 屋台でベトナムの人たちと食事を共にしていましたら、旅行は格段に楽しくなったと思います。「インドで生水を飲んでも下痢をしなかった」と自慢した豪快なキャリアウーマンを知っているのですが、熱帯地方の旅を楽しむ為には、逞しい体力が欲しいですね。続く

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