1983.5.17「YMO特集」
5/17放送
YMO特集
ゲスト細野晴臣・高橋幸宏
曲名
アーティスト名
収録CD・番号
君に胸キュン。
YMO
ALCA-9045「浮気なぼくら」
希望の河
YMO
ALCA-9045「浮気なぼくら」
カオス・パニック
YMO
ALCA-5105-06「YMO〜ツインズ・スーパーベスト」
邂逅
YMO
ALCA-9045「浮気なぼくら」
希望の路
YMO
ALCA-9045「浮気なぼくら」
以心電信
YMO
ALCA-5105-06「YMO〜ツインズ・スーパーベスト」
放送概要
解説は榛野まなみ(アルコ堂)、「 」内は坂本龍一氏、細野晴臣氏、高橋幸宏氏の話から抜粋したもの
1983年5月、YMOのアルバム「浮気なぼくら」が発売されました。
この回のサウンドストリートは、アルバム発売キャンペーンの一環として、
細野晴臣、高橋幸宏の両氏を迎えて、YMOを特集しました。
あかるいおじさん宣言をしてのキヤンペーンだけに、
全編笑いにあふれた回でした。
一年前には、全くサウンドストリートを聞かなかった人も、
君に胸キュンのヒットにより、この回を聞いた人も多かったようです。
それでは、明るいYMOをお楽しみください。
高橋幸宏(以下高橋と略)「はい、始まりましたサウンドストリート」
坂本龍一(以下坂本と略)「サウンドストリート」
高橋「火曜日のパーソナリティーは」
坂本「パーソナリティーは」
高橋「高橋幸宏です」
坂本「坂本龍一です」
細野晴臣(以下細野と略)「細野晴臣」
高橋「誰がやるかはあとで決めることとして」
坂本「今日はどうなるのだろう」
高橋「最後までお聴きください」
坂本「何がなんだか分かりませんね」
エフェクターを通しているので声がコミカルになっています。
(残念ながら、この雰囲気は活字では表現不可能です・・・・)
坂本「今日はYMOの特集です。港区芝浦にあります、アルファレコードに集まっています」
じゃんけんでDJを決めている三人。
高橋幸宏氏が勝ったのでDJを担当、各々の紹介がはじめている。
オールナイトニッポンの話題など少ししたところで、細野さんが曲名紹介
「君に胸キュン。」
高橋「というわけで、次のコーナーはいつも通りお電話のコーナーですね。
もしもし、名前と学年を教えてください」
坂本「鶴田こういちです。小学校四年です」
高橋「今なにしてました?」
坂本「あのいいづらいんですけど」
高橋「この番組は何いっても大丈夫」
坂本「スポンサーからクレームとか、来ませんか」
高橋「この番組はスポンサーがいないんだよ」
坂本「あの、あれしてました」
高橋「今、どんなところにいるの?」
坂本「狭いところです」
高橋「一人だけ?」
坂本「もちろんです」
高橋「女性の好みなんかあるのかな?」
坂本「あの今年のキャンペンガールの合田さんなんか好みです」
高橋「化粧品のね。どこがいいのかな」
坂本「あの豊満な胸のあたりなんかいいですね」
高橋「一日に何回くらいするのかな」
坂本「朝と夜の二回くらいです。先生にやりすぎは良くないっていわれます」
高橋「それは・・・多いね」
坂本「でも家のおじいさんもしています」
高橋「何人家族ですか?」
坂本「四人と一匹です」
高橋「まさか、その一匹はしていないよね」
坂本「よくしますよ」
高橋「最近のラジオはこういうこと言っても大丈夫だから、最後に何してたかどうぞ!」
坂本「大便です」
高橋「次、どうぞ!」
何でしょうか、このギャグセンスは。
品がないですねえ。やはり、戦場のメリークリスマスでのラロトンガロケで、
ビートたけし氏にかなり影響を受けたのでしょうか?
しばらくぶりにサウンドストリートに三人が揃ったというのに・・・。
この時期の彼らの状況が非常に良く表れています。(考え過ぎというハナシも)
細野「はい」
高橋「低いのが出てきたな。お名前と年をどうぞ」
細野「高橋龍一、53歳です」
高橋「(苦笑)これは始末の悪いのが出てきたな。いつも聞いてらっしゃいます?この番組」
細野「ファンなんです」
高橋「いつもこの番組坂本龍一さんがDJしてますけど」
細野「はい、私と同じでボソボソしてますけど」
高橋「どんなところがお好きですか」
細野「肉体です」
高橋「息が苦しそうですね」
細野「ええ」
高橋「今何してましたか」
細野「今、裸なんです」
高橋「裸で狭いところ?」
細野「むんむんしてて・・・」
高橋「53歳でお元気ですね」
細野「(水音)あっもらしちゃった」
高橋「何なさってるんですか」
細野「お風呂に入ってるんです。大好きなんだ、お風呂」
またまたどうしちゃったんでしょう。
でも、楽しそうなので許しましょう。
今にして思えばS.E.Tの伏線か?
(またまた考え過ぎというハナシ)
「希望の河」
うるさい幸宏氏を追い出して、通常の放送に戻りはがきを読み出す坂本氏だが・・・。
(突然スタジオのドアが開き、見学の二人が勝手に中に入ってくる)
高橋「あのー見学なんですけど」
坂本「困るんだよね。本番中ですよ、これ」
細野「あの、たばこ吸ってもいいですか?」
坂本「君いくつ?」
細野「18歳」
坂本「18歳でいいんだっけ?。ところで君はどこからきたの」
高橋「栃木です」
坂本「北関東の・・・。こっちの眉毛の太いボクは?」
細野「原宿」
坂本「原宿、ナウいなあ(死語)。
いいシャツ来てるね。坂本さんが着てあげるから置いてきなさい」
細野「やだい」
坂本「やだいって・・・。」
高橋「(マイクのボリュームを上げて)わー」
坂本「針がとんじゃう」
高橋、細野「わー」
坂本「サウンドストリートって番組知ってる?」
高橋「知らない」
坂本「君たち友達なの?」
細野「ナンパされたの」
坂本「眉毛の太いボク、栃木の子にナンパされちゃったの」
高橋「わりと好みだったんで」
坂本「本当、台本がないからつらいわ、これ(思わず地に戻る坂本氏)」
細野「次行ったらどうですか」
高橋「どこかいくんですか」
坂本「どこへも行きませんよ、私の番組なんですから。今YMOの新譜の紹介をしているんだから」
高橋「YMO、知ってる知ってる。」
坂本「胸キュンがヒットしているでしょ」
高橋「好きなんですか」
坂本「好きな曲もあるし、そうじゃない曲もありますよ。好きな曲かけてみようかな」
高橋、細野「うん」
坂本「ホチョノさんっていうおじさんが作った曲が・・・」
高橋「かわいい名前だなぁ」
坂本「カオス・パニック。静かに聞いてね」
「カオス・パニック」
台本なしでここまでやるはめになった坂本氏。
高橋氏はノリが妙にいいし、
細野さんは想像もしないせりふを言い出すしで、収拾がつかなくなっています。
BGM、テクノデリック、一年間の活動休止を経て、散開が決定した時期なので、
無根拠なまでの明るさが全編を支配しています。
軽快になったYMOもいいなあと当時未森幸月さんは思ったらしいのですが・・・。
YMOとして最後のサーヴィスだったんですね。
細野「公共の電波をジャックしてお送りしています、YMOサウンドストリート。
今まで火曜日のDJを務めていました坂本龍一さんを降ろしまして、お送りしているのは細野晴臣です。
提供は日本放送協会です。
それでは、YMOのゲストをお迎えしています。こちらへどうぞ」
高橋「評論家のイノグチマタオです」
坂本「評論家Aです」
高橋「ぼくは洋盤のレコード8万枚持ってます」
坂本「ぼくはYMOばっかり聴いてます。いやー最高ですね、YMOは」
高橋「君、YMOのファンクラブからきてるんじゃないの」
坂本「いえ、ちゃんとお金払ってます。この人だれですか?」
高橋「イノグチ知らないの」
坂本「知らないなあ。YMOは最高です。特に細野さんの曲が最高です」
高橋「ねえ、YMOって何?、あっちのバンド?」
坂本「あっちってどっち?」
高橋「洋盤」
細野「あっちでも一応出てますよ」
高橋「じゃあ日本人じゃないのね」
細野「一応日本人なんですけど」
高橋「
日本人じゃだめだよ、日本人がロックやったってだめだよ。
」
坂本「それはおかしいんじゃないの。ねえ細野さん。ぼくはエイプリルフールから細野さんのファンで」
高橋「なに、そのエイプリルフールって」
坂本「はっぴいえんどの母体となったバンドですよね、細野さん」
高橋「はっぴいえんどってなによ?それ向こうの?違うの?じゃあだめだよ。
向こうの友達が月に二百枚送ってくる。8万枚よ」
坂本「もうそういう時代じゃないんだよなぁ。
やっぱ、日本のロックははっぴいえんどから始まったと思うんだ」
高橋「はっぴいえんどは好きじゃない。だって知らないもん」
坂本「はっぴいえんど、キャラメルママ、ティパンアレイ、
そしてYMOっていうね、日本のロックの系統があってね」
高橋「ちよっと古いんじゃないのそれ、だって知らないもん」
坂本「えー、だって今の歌謡曲のヒット曲、細野さんの曲ばっかりじゃない」
高橋「だれよ、細野さんって」
坂本「じゃあね、坂本さんの曲から邂逅っていう、白樺派っぽいね、曲があるんだけど」
高橋「帰るよ」
ここで
「邂逅」
がかかり始める
坂本「洋盤なんて古いんじゃない」
高橋「これ誰」
坂本「YMOですよ」
高橋「これがね」
当時の音楽評論家を暗に批判している内容・・・・ではなくて、
単にごく一部の洋楽至上主義音楽評論家をからかっているのでありました。
スネークマンショーを彷彿させる内容ですね。
高橋氏の表現が実に嫌みっぽい人を表現していて、好感が持てます。(笑)
坂本「幸宏、最近の活動は?」
高橋「YMOやってます。細野さんは?」
細野「YMOやってます、最近」
坂本「ぼくなんかYMOやってるよ」
高橋「なんだ同じじゃん」
それぞれのソロ活動の話題。
細野さんは、企画アルバム
坂本さんは、2月から始まったソロアルバム
幸宏さんは、ソロツアーの話題
「希望の路」
笑っていいともの話題。
細野さんが登場した時に電報が届いて
次は幸宏さんを坂本さんをというものばかりでげっそりしたということ。
ウインターライブビデオの話題
暗いのもいいという話し。
パワーがある。根が深いものがある。
明るいものばかりやっていると暗いものもいい、という結論。
「以心電信」
ただし細野さんが全曲かけるのを嫌がり途中から
今回の内容にしきりに番組降ろされると嘆く坂本さん。
細野さんもあいてますと励ます(?)幸宏さん。
ぼそぼそ合いの手を入れる細野さん。
で、エンディングでした。
この気軽さで93年の再生もしていたら、もっと別の形の音が出たかも知れません。
そういう意味では、83年のこの明るさというのは、貴重です。
何しろ、以後この三人が揃ったとしても、シリアスにならざるをえない状況になっていくわけですから。
とかく、浮気なぼくらの時代はYMO年表からは無視されがちですが、
もっと再評価してもいいのではないかと思います。
1983年。
やはり気になる年です。
今回は長文でした。
最近、長文になりがちなので
もっと気軽に更新作業をしようと思っている榛野まなみでした。
次回のサウンドストリート内容紹介予定は「音楽図鑑特集」です。
1983年1月から6月のリストに戻ります
サウンドストリートメインに戻ります
ホームページに戻ります