1984.10.23 音楽図鑑特集

10/23放送 坂本龍一「音楽図鑑」特集
ゲスト・ピーター・バラカン
曲名 アーティスト名 収録CD・番号
チベタン・ダンス 坂本龍一 MDCL-1243「音楽図鑑完璧盤」
M.A.Y・イン・ザ・バックヤード 坂本龍一 MDCL-1243「音楽図鑑完璧盤」
パラダイス・ロスト 坂本龍一 MDCL-1243「音楽図鑑完璧盤」
リセエンヌ 原田知世 30DH202「撫子純情」
旅の極北 坂本龍一 MDCL-1243「音楽図鑑完璧盤」
バック・ウォーター デビッド・シルビアン VICP-23209「ブリリアント・トゥリーズ」
羽の林で 坂本龍一 MDCL-1243「音楽図鑑完璧盤」

放送概要など
「 」内は坂本龍一氏のコメントの抜粋。
それ以外は榛野まなみ(アルコ堂)の解説です。

今回の特集は坂本龍一氏のニューアルバム「音楽図鑑」。
発売は明日(10月24日)
ゲストは、スタジオの外を偶然通りかかったピーターバラカン氏。

オープニング
妙に明るい坂本氏、クリストーマスの話題で盛り上がりながら、
オープニング「両眼微笑」が終了しました。


「チペタンダンス」

坂本龍一(以下坂本と略)「チベットのダンスです」

ピーターバラカン(以下Pと略)「チベットという感じはしませんね」

坂本「チベットのダンスそのままというより、
ニューヨークなんかにいて、ピアノを弾きながら、
アジア、チベットの少女のダンスをイメージしているという感じ。
アジアに対する憧れとか、自分の心情的なものですね」

P「レコーディング当初とはずいぶん違ったね」

坂本「10種類くらいあって、最初は山下達郎くんが歌っていたりした。
あれも良かったけれど歌詞のイメージが違っていた。
ボーカルバージョンというのも考えている。
各国の言葉でアルバムを作るのもいいかな。タイトルはチベタン・ダンス。
思い付いたらすぐ作るというのがMIDIレコードのいいところ」


「M.A.Y・イン・ザ・バックヤード」

坂本「ちょっとアニメっぽい」

P「サントラっぽいね。戦メリとは違うけれど」

坂本「映像がうかびやすいのが、今までのアルバムとは違うところ。
特にこの曲は、猫のことを歌っている。
Mはモドキ、Aはアシュラ、Yはヤなやつ(笑)
タイトルは後からつけるから、特にそれをイメージしたわけではないけれど」


情報コーナー
・坂本氏が映像作品をナム・ジュン・パイクと作っている。
(オールスタービデオ/坂本氏の曲はレプリカが使用されている)

・この番組が放送される23、音楽図鑑が放送される24日は、
ニューヨークで立花ハジメとビデオ製作中。
(使用した曲は「羽の林で」)

・フランスのテレビ局製作、坂本氏紹介番組(TOKYOメロディ)制作中。


「パラダイス・ロスト」

坂本「ジョン・ミルトンの失楽園ですね。
この曲は去年(1983年)の2月頃の作品でM5。
今年、M35までいった。
20くらいで頭おかしいんじゃないのと言われて、
35だと100くらいまでいけばとか言われました。(笑)」

P「好きな曲だな、これ」


「リセエンヌ」

坂本「音楽図鑑を作ったあとの仕事です」

P「教授も不思議な仕事をしているね」

坂本「何考えているか分かりませんね。
この曲では原田さんがなんと作詞をしているという。
リセエンヌはフランス語で女子高生の意味。
彼女にはそういうイメージありますね」

P「ぼく、よく知らないけど」

坂本「そういえば原田さんの映画に幸宏さんが出演してます」

P「知らなかった。初めて聞いた」

坂本「あまりにおかしいじゃない、若いお父さんで。
主役の知世ちゃんが子供の頃に死んでしまったっていうことだって。
しかし、親子でしょ?似てる?」

P「まあ、映画だから」

坂本「そういえば、コンサートのオープニングアニメがかわいかった。
あれで通せばよかったんだけど」

P「後のテンポがちょっと落ちちゃったかなという感じ」


ここで紹介されている原田知世主演の映画は、
「天国にいちばん近い島」です。

ニュー・カレドニア諸島のどこかにある、
亡き父(幸宏さんが演じた)が5歳の時に語り聞かせてくれた、
天国にいちばん近い島を探すため、
ツアーに参加した女子高校生を中心に描いた映画。

彼女にとってこの作品は主演3作目。
やはり、第一回主演作品である「時をかける少女」は偉大で、
この作品に至ってもポスト時かけを模索している様がうかがえます。

監督は、大林宣彦氏。監督以外にも脚本をかいています。
なお、この作品がきっかけ(?)になり、
高橋幸宏主演の映画「四月の魚」が同監督によって製作されています。

今回放送された「リセエンヌ」は、撫子純情に収録された作品。
彼女の17回目のバースディー記念アルバムとして製作されています。
収録曲リストは以下のとおり。

30DH202
原田知世「撫子純情」
サウンドプロデュース:
坂本龍一
1984.11.28発売
星空の円形劇場 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:坂本龍一
Happy Yes. 作詞・作曲:かしぶち哲郎 編曲:坂本龍一
もっと素直に・・・ 作詞・作曲:白井貴子 編曲:坂本龍一
リセエンヌ 作詞・原田知世&康珍化
作曲・坂本龍一
編曲:坂本龍一
クララ気分 作詞・来生えつこ
作曲・南佳孝
編曲:坂本龍一
天国にいちばん近い島 作詞・康珍化
編曲:荻田光雄
愛してる 作詞・康珍化
作曲・林哲司
編曲:荻田光雄

ここでも大貫妙子作品がオープニングで良い曲を提供しています。
いつも思うのですが、彼女が他人に提供する作品ってなぜどの曲も名曲なんでしょうか。


「旅の極北」

P「逆さにすると北極の旅」

坂本「寒い音しています」

P「途中西部劇みたいな感じになりますね」

坂本「ウエスタン?」

P「荒野の七人とか、そういう感じ。僕だけかな」

坂本「そうかなぁ」

荒野の七人は1960年、アメリカで製作された作品です。
監督はジョン・スタージェス。
原作者として黒澤明、橋本忍がクレジットされています。
(黒澤監督の七人の侍に惚れ込んだプロデューサーが翻訳権を買い取り、
舞台をメキシコに設定して映画化した西部劇の快作)

音楽はエルマー・バーンスタイン。
(七人の侍の音楽は佐藤勝。これについては細野晴臣氏も評価が高かった)
ちなみにウエスタン音楽の代表選手は、エンリオ・モリコーネ。
彼は、ラストエンペラーで坂本氏と候補を争ったということもありました。
などと余談でした。

情報コーナー:
・本本堂で週刊本を作っている。タイトルは「本本堂未刊行図書目録」。

坂本「50冊でっちあげた。現実にでる本もあるし、出ない本もある。
考えるのが大変だったし、お金もかかった。
インタビューでお茶をにごすよりいいでしょう」

この本では細野晴臣装丁の本も紹介されています。

樹木状網目思考の原初的図式/ジユリアン・バコット
無限・宇宙と諸世界について/ジョルダノ・ブルーノ
往復書簡・ウイリアムバロウズ−出口王仁三郎
細野晴臣画集
チベット・死者の書/中沢新一(文)・藤原新也(写真)


といったようなもの。
どれもこれも実に興味があるタイトルですね。
実際には一冊も刊行されませんでしたが。
でも、実に発想がいいなあ。

「バック・ウォーター」

P「デビッドシルビアンは、今日本滞在中で今回は長くいる。
自分のビデオも作っているとのこと」

坂本「写真展もやるんでしょ」

P「本で見るより、ポラロイドの継ぎ目とか良く分かっていい。
本は自分では不満だったので新しく作るみたい」


「羽の林で」

坂本「立花ハジメとこの曲のビデオを作っています」

P「これはおもしろいですね」

坂本「唯一ではないけれど数少ないボーカル曲」

P「なかなか味わい深い詞」


ボックスで発売された坂本龍一コレクションを購入した人に、
この曲とフィールドワークのプロモーションビデオが付いてきました。
このビデオのために泣く泣くボックスを購入した人も多いのでは?。
(実は未森幸月さんもそうらしいです)


エンディング
「というわけで音楽図鑑の発表会でした。
自分のものだけど気恥ずかしいです」

P「教授もそう?。自分の詞もラジオで流れると恥ずかしい」

坂本「かわいいもんだ(笑)おやすみなさい」


その他: 先週の放送で、30分間坂本氏のしゃべりの部分がモノラル。

来週のサウンドストリート前半は坂本週間。
佐野元春氏、坂本氏、甲斐よしひろ氏のサンストと3日連続出演。


追伸
もっと気軽にとりくめば、もっと更新作業も楽なんですが。
それでなくても遅れ気味のサウンドストリート内容紹介、
ついつい、解説などに凝ってしまうのでした。
これでは、「不思議の国の龍一」紹介はいつのことになるやら(笑)
榛野まなみ

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