1986.3.18「デモテープ特集」
坂本龍一担当サウンドストリート最終回


「今晩わ。(マイクの確認)」
「今日は最後のデモテープ特集です」
「今回100人の当選者で、応募が5,000人でした」
「デモテープ特集のアルバムが出ます。発売日は4月21日。タイトルはデモテープ1です。
今流れているゴジラも録り直して音質がよくなっています。
また、デモテープはサンスト内に坂本私書箱を設け、受付けます。
MIDIに送ってきてもいいです」


ということで、最終回、デモテープ特集です。
最終回、しかも人気コーナーのデモテープ特集。
なかなか内容も濃く、当時のリスナーは真剣に聞いたことでしょう
参考までにアルコ堂主幹の未森さんは、録音テープにメタルポジションを用意、
しかも、FMアンテナまで立てて万全を期したとのことでした。
少しはさみしい気持ちもあったようですが、
3月11日の放送でかかった「未来派野郎」の曲が期待以上の出来で、
(特に黄土高原)ミュージシャンに徹するというコメントだから仕方ないな。
という気持ちだったようです。(未森さんは未来派野郎が今だにベスト1とのことです)

ちなみにこの回のサウンドストリートは公開録音でした。
そのため、内容が来場者との会話になる部分も多く、抜粋紹介になっています。
条件は、その日のうちに帰ることができる人ということでしたが、 一番遠い場所から来た人は愛知ということ。
果たして本当に帰りついたのでしょうか?。また最終回だし、いいでしょう。
さて、余談はさておきオンエアの内容についてふれるとしましょう。
形式はいつも通りです。
それではお楽しみください。

3/18放送 デモテープ特集
曲名 アーティスト名・出身地 「  」内太字は放送中の坂本龍一コメント
それ以外は榛野まなみ(アルコ堂)の注
サザエさんラップ はらぐちこうじ・
千葉県
「エレクトリックガーデン?。そういう意見もあります」(笑)
(注:佐野元春が出したカセットブック。教授いわく本のデザインはいい。音楽は・・・?)
アフリカンバンバータ風のヒップホップ。ラップの内容はサザエさん。
ラップ内容は次のとおり

サザエさんちのテレビはステレオ。
中島はじいちゃんと二人ぐらし。
サザエさんちの電話はダイヤル。
花ちゃんも父ちゃんと二人ぐらし。
タラちゃんが歩くと音が鳴る。
ぽこすかぽーんと音がなる。
ワカメは冬でもミニスカート。
パンツが見えてるミニスカート。
カツオは家族に信頼されてない。
事件が起こるとカツオのせい。
サザエさんちのトイレはシークレット。
あんまりテレビに映ったことない。

というようなもの。拍手は多かった、です。
びーまいべいびー モッちゃん命の丸 「まったく正体不明ですね、この人は。
デモテープ1に収録される「さよなら」のような作品です。
鼻につまった音質が良い。初期サイキックTVみたい。あがた森魚みたい」
とのことでした。
1974年に録音した作品。びーまいべいびーを弟さんが歌ったそうです。
詳細はこちら
エポの歌 鈴木ゆか・
鎌倉市
常連のゆかさん。エポの曲をコピーしたもの。
「エルドラド」というバンドを組んでいて、写真を同封してきました。
「これ写真。二十歳、可愛いね」
このコメントって一体。しかもMIDIにはエポが所属していたのに、
「これってエポの曲だったんだね」
ブラスターズ 松井寛 ゲームミュージック風テクノサウンド
会場の反響を観察しながら、「ずばぬけたものはないということですね」
オルガン坂(音楽コンテスト)を目指すぜという手紙に対しても、
「がんばってくださいね。普通のDJみたいなこといってますね。
よくいるでしょ、女のDJで」

とつれない態度でした。
確かに坂本氏のDJが身についてしまっている今、普通のDJはうるさくて聞けない(笑)。
わかめ色の夕焼け おかだこうき・
兵庫県
インスト。叙情的なアジア風テクノポップ。
「タイトルがいいね。
曲も最初聴いたら新鮮でしたね。イントロかと思ったら延々続いている。
歌詞があったらもっといいかな」
デジャブ みなかたやすこ・
目黒区
オリジナルピアノ曲。デパートの屋上で感じた情景を曲にしたもの。
「美しい弦の音がしました」
この道 カナリア太郎&花子 世界史の授業中にこっそりと「この道」(山田耕作作品)を歌ったもの。
「いじめの対象にならないように(笑)。
うけようと思ってやったんでしょうね。だって普通授業中に歌うか?最後の授業でも」

とコメントをしていたら、なんと本人がスタジオにいたのでした。
「うーん、歌がうまいね、とかいったりして(笑)
それにしてもデモテープと公開録音二つ当選でラッキーですね」

という状況でした。
よしだあつのり・
宮城県
「ラジオのチューナーをがちゃがちゃやって多重録音したものだね。
で、ガーガーっていうのが雪のふる音に聞こえたと」

ほとんどホルガーシューカイです。
坂本氏も「未来派野郎」の「バラエティショウ」でやってました。
春よこい のうてんキング はっぴいえんどの「春よこい」を歌って多重録音したもの。
「家人の視線が冷たくなったんだって(笑)」
無題 おもてしげみ デビッドシルビアン(ジャパン風)風の歌と曲。
コメントは特にありませんでした。音がこもっていました。
かえるの唄 こしゃよしひろ・
府中市
かえるの唄をほとんど息継ぎしないで歌ったもの。
「恐怖な奴。ほとんど死んでいるんじゃないかなあ。」 あんまり好きじゃない、私は好きです。というデジタルな会場での回答に、
「この意見を参考にして曲を作るように」と坂本氏
七人の侍 ふるかわあきひろ・
新潟県
七人の侍のテーマ曲に唄をつけたもの。
「作曲家は早坂文雄さん。ゴジラなんかとも共通しますね」
さすが坂本氏。現代音楽、映画音楽にも精通しています。
(もともとクラシック、現代音楽畑の人ですものね)
ゴジラは当然ながら現代音楽の大巨匠の伊福部昭氏が作曲したもの。
で、早坂さんは北海道で共に同じ音楽集団を主催していたのでした。
この辺りについては、華屋龍一さんと未森さんがページを開いてくれることでしょう。
会場ではゴジラで失笑が出ていましたが、
(多分デモテープ1に収録される同曲のイメージがあったのでしょうけれど)
伊福部さんの音楽はすごいんですよ。特に初期は・・・・。
チベタン・ダンス いしだくん、ますいくん 輪ゴムで作った楽器でチベタンダンスを演奏したもの。
「初期デモテープの香りがします。
トロンボーンで演奏したライディーンに近いものがある」
世界史 うらいけけいこ・
熊本県
中島みゆきの悪女のメロディで、中国史の年表早覚えの文句を唄ったもの
ステッピン・イン・トゥ・エイジア 平野弦・
和歌山県
学校交流の一環でタイに行った時、
現地の人にタイ語で「ステッピン・・・」を歌ってもらったものに
ピアノで伴奏をつけたもの
「これが本物ですね」
さよならの唄 ひぐちまゆみ・
武蔵野市
サウンドストリート坂本氏卒業を惜しんで唄を歌ったもの。
歌詞は次のとおり

信じられないよ。信じられないよ。
でも終わるんだ、サウンドストリート
さよなら、坂本さん、さよならみなさん
またいつかあう日まで、さようなら

「思わずもらい泣きしてしまいました」
個人的には信じられないよの二回目に繰り返す部分がとっても気持ち悪いのでした。

「足掛け四年、長いなあ。
この場を利用して、普段会えない人と会いたいなあと思っていた。
反響もあったし、自分でも良かったゲストもいる。
動物写真家の岩合さんが特に良かった。
なんと言ってもデモテープ特集が一番良かったと思っている。
番組は終わるけれど、大事なのは僕の音楽。
六月まで続くツアーの後は、映画音楽と映画出演も待っていますので(会場で歓声が上がる)期待して

(どんな映画?という会場の声に戦メリと応える坂本氏、あのラストエンペラーだとは誰も知らない)
それでは最後にサティを弾いて、どうもみんな長い間ありがとう。さようなら・・・・」


ということでサウンドストリート坂本龍一担当分が無事終了したのでした。
私の紹介の方も、といきたいところですが、まだまだ手持ちがありますので、今後の更新をお楽しみに。

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