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| メディア・タイトル | 感想(その日の気分)・備考など |
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BVCS-21027
「organic plastic music 2002.05.22リリース
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しばらく更新を休んでいたのだけれど、 音楽だけはずっと聴いていたような気がする。 本もDVDも好きだけど、 やはり自分にとって一番大切なものは、 音楽ということを再認識したそんな休息の日々だったような気がする。 (まあ音楽だけというわけではないけれど) というわけで、この夏にかけてorange pekoeをアルコ堂として大推薦しておきたい。 基本的にチャートをにぎわす、ごく一部の品がない音楽は好みではないのだが、 彼ら(男女ユニット)の作り出す音楽にはそんな心配は皆無。 極上のポップスに仕上がっている。 また様々な(彼らが聴いてきただろう)音楽要素が引用されているのにもかかわらず、 自分たちの音が確立されているのは流石だといえる。 過去の音楽の精神を学んでいない音楽のなんと多いことか。 喜ぶべきことはorange pekoeの音楽に売れる兆しがみられるということ。 少しずつ少しずつ音楽を取り巻く状況が変わっていくことを祈りたい。 それが一音楽ファンとしての願いでもあるのだが。 同傾向の音楽ばかりが持てはやされることではなくて、 たくさんの良質の音楽がたくさんの音楽ファンに届けられる状況が生まれた時、 日本も少しは面白い状況になるのかもしれない。
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YCCS−00016
「しあわせまでもう少し 2002.06.26リリース
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前作「優しさの意味」から半年あまり、 西村由紀江の新譜がリリースされた。 今回はオリジナルアルバムではなくベストアルバム。 この時期に何故ベストアルバムがリリースされるのかは謎ではあるが、 一ファンとしては非常に嬉しいのもまた事実というところ。 ところで今回は単なる既存曲をそのまま収録ではなく、 ほとんどの曲を新録音している。 よって発売当時とは若干ニュアンスが違う作品もないわけではない。 ただ、その違いは曲の印象を悪くするものではなく、 いわば、今の西村由紀江が表現されているもの。 例えるならば、コンサートで体験する西村音楽に近いかもしれない。 このアルバムが発売されることを知り、 曲順どおりCDRに焼いて実際発売されたものと比較してみた。 オリジナルのままの楽曲は別にしても、 新録音についてはその微妙な差異が非常に心地よい。 自分の中にある曲イメージがいい意味で裏切られる気分のよさを感じた。 この気分はまさにコンサートで体験する西村音楽と同じもの。 というわけで西村音楽を好きになるきっかけだった「ひだまり」。 このヴァージョンも好きになった。オリジナルが日本的な秋の午後をイメージするとするならば、 今回のヴァージョンは初夏の草原を駆け抜ける風のようなイメージというところ。 若々しいそんな「ひだまり」。改めて音楽家西村由紀江に感謝したい。
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VICL-60871
「ラーゼフォン オリジナルサウンドトラック1+2 2002.06.21リリース
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橋本一子といえば、YMOファンにとって第一期国内ツアーにおけるサポートメン バーという印象が強い。その程度の認識に過ぎなかったため、彼女自身の音楽につい てあまり関心がなかったことも告白しておこう。 というわけで、彼女の音楽を意識的に聴くのは(演奏を別にして)これが事実上、 初めてということになる。まさにラーゼフォンというアニメーションありき、という ところか。この作品が存在していなかったならば、彼女が音楽を担当することも、彼 女の音楽を聴くこともなかったわけで、二十年あまりの歳月を経て初めて触れること になったそのめぐり合わせに感謝したいところでもある。 結論から言えば、必ずしも期待通りの内容ではなかった。例えば音楽のミスマッチ 感覚が作品にプラスに働いた「王立宇宙軍・オネアミスの翼」、あまりにも有名な オープニングのスキャットで世界観を確立した「宇宙戦艦ヤマト」、限界まで研ぎ澄 まされた映像美とテクノサウンドが見事にシンクロした「マクロスプラス劇場版」、 宮澤賢治の世界を音楽で表現し、想像以上の効果をあげた傑作「銀河鉄道の夜」など など、アニメーション作品には優れた映像と音楽が理想的な形で一体となっている作 品が多数存在しているわけで、そういう意識で本作を聴くならば、確かに物足りなさ を感じないわけでもない。 ただし、これは単純に音楽だけを単独で聴いたためだと思う。橋本一子が作品の世 界観を理解した上で、作品の一部分として音楽を組み上げたのだとするならば、この 物足りなさも理解することができる。だからこそ、 音楽だけでなく実際の映像を観ることで、 実に練り上げられた音楽だということを知ることだろう。 神秘性をロボットアニメーションに附加することで、独特の世界を作り上げること に成功した「ラーゼフォン」という作品には、既存の音楽では確かに役不足なのだ。 まずは映像を観ることから始めたい。その後、音楽を単独で聴く。この アルバムに関してはそれがおそらく正しい体験方法なのだ。
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cocq-83594 「GRACE」 2002.06.18リリース
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結局のところ、ジャンルに関係なくいい音楽(自分の嗜好にあう音楽)は存在するわけで、 実際のところポップスだろうが、クラシックだろうがそのジャンル分けは便宜上のものに過ぎず、 いい古された言葉ではあるが「(聴き手側にとって)いいものもある、わるいものもある」ということ。 自分好みの曲が非常に優れた演奏で聴くことができればそれだけでいい。それはたくさんの音楽を聴いた上での実感であるのだが。 そういう意味で、音楽にとって非常に可能性を感じさせるアルバムであることはいうまでもないだろう。 参加している音楽家の顔ぶれは田部京子(ピアノ)、竹松舞(月の光)、高木綾子(フルート)、 高嶋ちさ子(ヴァイオリン)、加羽沢美濃(ピアノ)、幸田聡子(ヴァイオリン)、 デュオ・プリマ(ヴァイオリン・デュオ)というような若きクラシック演奏家たち。 クラシック、ポップスの名曲などそのジャンル問わずに優れた演奏技術で聴かせてくれる。 しかも演奏技術だけではなく、一種のキャラクター性や透明感あふれるイメージも同時に兼ね揃えていることもあり、 それがアルバム自体のイメージを高めている。 ただ、個人的にはいわゆる「演奏家」に留まらない活動を期待したいのも事実。 例えば西村由紀江のように自分のオリジナル曲を自身の演奏で聴かせてほしいのだが…。 彼女のような存在が一人でも増えることを祈りたいもの。 まずはJクラシックという呼び方をやめよう。イメージは確かに高められるのだが、 聴き手側の広がりはあまり期待できないのではないか。 もっと能動的な、しかもクラシックという言葉を越えるようなそんな言葉の「発明」に期待したい。 言葉が音楽を全て語り尽くせるとは思わない。 ただ、優れた音楽が限られた場でしか聴かれないというのはあまりに惜しいではないか。 逆にいえばその言葉がきっかけで新しい聴き手が育つならばそれにこしたことはない。 このアルバムを基点にして各々の音楽を聴いてみたいと思っている。 おそらく、それが全ての始まりになる。
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COCQ-83546
「プレイアデス舞曲集2 2001.07.20リリース
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まずは「プレイアデス」という言葉に注目したい。 個人的には「銀河鉄道」、「新世界」(関西の方々はそう思わないだろうが) という言葉の響きと共通するものを感じる。 やはり言葉というものは重要で、本作における各楽曲のタイトルにしても「小さな春への前奏曲」、 「水晶の小さなロマンス」、「フィナーレの風景」、「優しき風のロンド」、「11月の夢の歌」など、 それ風のタイトルで聴き手側のイメージを大いに刺激してくれる。 本作との出会いのきっかけは昨日紹介した「GRACE」。 冒頭の一曲目が田部京子によるピアノ演奏であり、 クラシック的な神秘性とポップスの親しみやすさをも兼ね備えた楽曲に一聴して魅了されたのだった。 作曲者の吉松隆はもともと現代音楽畑の人間だったのだが、 次第に美しい楽曲を作りたいという思いがあふれだしたらしい。 確かに現代音楽は美しさの前に理論が先立つ。 その結果、その思いが純化し、三十数曲あまり(1と合わせれば六十数曲あまり)の美しい楽曲になったという。 とすると、一曲あたりの時間が一分あまりだという理由も理解できる。 思いが純化された曲の断片を楽曲として構築することより、 断片を断片のまま小曲として作り上げたのだ、という解釈でいいのだろう。 余談ではあるが、三善晃による「子供の日記帳」も同じ思いが形になったような気がするのは聴き手側の思い込みだろうか。 そしてその楽曲の演奏者として田部京子に出会ったことはもはや必然的な出来事であり、 楽曲にとっても演奏者にとっても、そしてなにより聴き手である自分たちにとって幸福な出来事であったのではないか。 毎年、初夏には新しい曲や音楽家との出会いがあるのだが 「オレンジペコー」と田部京子音楽がどうやら今年出会った音楽家のようだ。
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