1983アルコ堂メディア日記
2002年11月分


このページはmimo1983がその日体験したメディアから紹介するものです。
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では、下の日付と曲名をクリックしてください。


11/11(月)「CM/TV/坂本龍一」
11/12(火)「MARI IIJIMA songs LYNN MINMAY/飯島真理」
11/13(水)「明日のために/西村由紀江」
11/14(木)「喫茶ロック エキスポ アンド ソフトロック編」
11/15(金)「TRAVELOGUE/遊佐未森」

11/18(月)「NHKニュースワイド/坂本龍一」
11/19(火)「NHKジングル/坂本龍一」
11/21(木)「ファム・ファタール オリジナルサウンドトラック/坂本龍一」
11/22(金)「ア・ドッグ・スマイルド/高橋幸宏」

11/25(月)「空に会おうよインストヴァージョン」
11/26(火)「JOURNEY TO YOUR HEART/BOX」
11/27(水)「ちょびッ!オリジナルサウンドトラック/高浪敬太郎」
11/28(木)「カスタ・ディーヴ/デュオ・プリマ」


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2002.11.11(月)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

WPC6-10244

「CM/TV
/坂本龍一」

2002.10.23リリース


どの曲の感想から書こうか、というところ。 中華三昧「黄金の都」か、 あるいはNHKニュースワイド、東芝BS−ARENAか。

それにしても、坂本CM集大成を個人的に夢想した時期があったが、 ここまで徹底的に収録されるとは想像することすらできなかった。 企画の勝利ということか。

いずれにしろ、これだけの量の作品を 眠ったままで終わらせなかったことに 感謝したいと思う。 ここに収録されている数々の楽曲は、 坂本氏のもうひとつの音楽の軌跡であり、 二十余年に渡るCM音楽の軌跡でもあるのだから。

つくづく「坂本音楽を聴き続けてきてよかった…」 そんな気分が味わえるアルバムに久しぶりに会えたような気がする。



2002.11.12(火)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

VICL-60992

「MARI IIJIMA songs LYNN MINMAY/飯島真理」

2002.11.07リリース


 しかし二十年の歳月を経て、 再びミンメイとしての新しい歌声を聴くことになるとは…。 正確にはかつての音源を新録したアルバムがリリースされた、ということなのだが、 単純に「0G−LOVE」「私の彼はパイロット」というような、 いわゆるミンメイソングの新録に驚かされた。

 楽曲的にはいわゆる企画モノということもあり、 ノスタルジーなしに一般音楽ファンが聴くのは確かに辛いかもしれない。 個人的にも過去リリースされた音源は機会があるたびに聴いていたということもあり、 新鮮さに欠けるのは否めないのも事実としてある。 それは仕方がないものとして認めたい。 結局のところ、かつてファンだった者に対する二十年目のプレゼントと理解したい。

 それにしてもこれは超時空要塞マクロスという作品の力が 現在まで続いていることの証しに他ならないわけで、 例えば同時期に製作された類似作品では辛いものがあるのではないか。 (ここではあえてその作品名にはふれないことにしよう)

 そして作品の力と同じくらい、 飯島真理の存在感も欠かせない要素であるのは言うまでもない。 その声質は衰えるどころか、ますます魅力的になっている。 経験と成長が確実に感じられるのだ。 実際のところ、今彼女がミンメイの吹き替えに挑戦しても面白いのではないか。

 一大ブームを獲得した作品はその風化も確かに早いが、 その作品に対する思いは少しも風化することはないのだ。 少なくても真剣に作品と向き合った者にとっては、 過去のものではなく、永遠に心の中に生き続ける、そんな気がする。



2002.11.13(水)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

YCCS-00017

「明日のために/西村由紀江」

2002.10.23リリース


 ベストアルバム「しあわせまでもう少し」をはさんで、 約一年ぶりの新譜は前作「優しさの意味」路線、 究極の和み音楽といえる仕上がり。

 前作が個人的に西村作品中において一、二を争う傑作だったので、 前作と同路線ということは喜ぶべき…ではあるはずなのだが、 どこか物足りなさを感じるのはどうしてなのだろうか。

 とはいうものの、ドビッシーの「月の光」を取り上げたことに対して、 次回作以降に対して若干の期待がないと言ったら嘘になる。 それこそ今までのイメージを覆す作品になる可能性があるのだから。

 結局、思い切った渋い選曲のカバーアルバムを一枚作ってほしい、ということ。 自らの原点に立ち返るような、そんなアルバムを聴いてみたい。 いわば西村流「BTTB」ということ。 神童と呼ばれた西村の本領を発揮してほしい。

 と言いながら、最新アルバムを何度も聴いてしまうのは、 やはり西村音楽の魅力に抗することができないという証拠に他ならないのだろう。 彼女の音楽を聴きはじめて、いつの間にか四年たったわけか…。



2002.11.14(木)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

TOCT−10787

「喫茶ロック
エキスポ アンド ソフトロック編」

2002.06.26リリース


このCDは70年代の良質な日本のポップスを集めたオムニバスCD 「喫茶ロック」シリーズの番外編です。 これまでリリースされているレコード会社別の編集盤ではなく、 70年代前半に量産されたA&M系のポップス(ソフトロック)の中から、 特に1970年の大阪万博を機に盛り上がった「人類みな兄弟」的な ピースフルなムードを象徴するような楽曲を中心に、 レーベルの枠を超えた形でお届けします。(ライナーノーツから抜粋)

十数枚リリースされている「喫茶ロック」シリーズ。 そのほとんどを購入しているが、 実際にはこれら1970年代の音楽にリアルタイムで触れているわけではなく、 追体験ということに過ぎない。

「喫茶ロック」シリーズに収録されている音楽の 無根拠なまでの明るさ(あるいは暗さ)には 失われてしまった時代の空気感が隠されている。 二十数年の歳月を経て、蒸留され、純粋な部分が残っているわけで、 リアルタイムでその時代を生きることがなかった僕たちは、 回顧よりむしろ新しさを感じることになるのだ。

「喫茶ロック」シリーズを聞いて何を感じるかは、 あなた次第というところか。

それにしても、このアルバムを聴くたび思うのは、 言葉の力がますます失速している今、言葉がまだ死んでいなかった時代があったのだということ。 いわば「愛」「自由」「若者」「太陽」「平和」という言葉に説得力があったということは、 いいことだったのか悪いことだったのかは、後世の人々が評価にするのだろうという気がする。 言葉の力を信じていない80年代YMOエイジである自分は、 客観的に考えることなどできはしないのだから。



2002.11.15(金)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

TOCT−24892

「TRAVELOGUE/遊佐未森」

2002.11.07リリース


7月にリリースされたカバーアルバム「檸檬」から早四ヶ月、 彼女のニューアルバムは東芝EMI移籍後のシングルを中心とした、 いわゆるベストアルバム。

といいつつ後半四曲はEPIC時代の楽曲を新録したもの。 こちらの新録の出来がいいことから、 シングルベスト盤、ライヴベスト盤の二枚組、 もしくは単独でライヴアルバムをリリースすべきだったのではないか、 とも思うのだが、これは仕方がないところか。

こうして移籍後を振り返ると、 結局のところ、「あの頃の遊佐はもう二度と戻りはしない」という思いを、 より一層強くするアルバムに仕上がったように思う。 そして「あの頃」の遊佐がもういないように、 あの頃の自分自身も今存在していないという現実。 これを認めることは少々辛いのだが…。

長かった旅もそろそろ終焉だということなのかもしれない。


▼本日のインプットメディア▼

・新書「明星50年 601枚の表紙/明星編集部編」集英社
・新書「歌声喫茶灯の青春/丸山明日果」集英社
・新書「性同一性障害/吉永みち子」集英社
・新書「ファンタジーの世界/佐藤さとる」
・小説「ΑΩ/小林泰三」角川書店



2002.11.18(月)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

WPC6-10244

「NHKニュースワイド/坂本龍一」

2002.10.23リリース
「CM/TV/坂本龍一」収録


それにしても坂本氏のこのCM&TV集は本当にいいCDだと思う。 最近ここまで何度も何度も聴き返しているアルバムもない。 多分この後もそうだろう。

通常リリースされるニューアルバムがアーティストの創造力が生み出すものだとするならば、 今回のようなアルバムは聴き手側の要望が生み出したものと言えるような気がする。 これは聴き手にとって幸せな商品といえる。 少々大げさかも知れないが、 坂本ファンでこのアルバムを喜ばなかった者はいないのではないかとさえ思う。 願わくはアーティストにとってもそうであってほしいものだが。

とはいうものの、実はほとんどテレビを見ない人=CMも見ない人なので、 CM音楽集といいながら、その実、お蔵入りした坂本音源を聴いているような感覚。 一部の除きほとんどの曲が知らない曲ばかり。どの曲にもワクワクする感覚がある。

その数少ないテレビから流れる坂本音楽体験において、 この「NHKニュースワイド」のテーマ曲は特別な一曲。 考えてみればこの曲が平日の朝七時に全国で流れていたというのは、 まさに驚異的な出来事。 なにしろその音楽はほとんど「YMO」としか言えないモノなのだから。 いかにYMOの音楽が各方面に影響を与えていたのか、 ということが分かるような気がする。

というような音楽が50曲、80分近くも収録されているこのアルバム、 大切に聴いていきたい。


▼本日のインプットメディア▼

・文庫「腕白小僧がいた/土門拳」小学館
・小説「ゼルプの欺瞞/ベルンハルト・シュリンク」小学館
・CD「ロシア未来派の音楽作品集」
・CD「決定版モスラ」



2002.11.19(火)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

WPC6-10244

「NHKジングル/坂本龍一」

2002.11.20リリース
「坂本龍一ワークスU/坂本龍一」収録


ワーナーミュージック・ジャパンからリリースされた「CM/TV/坂本龍一」に引き続き、 古巣レコード会社であるMIDIから、 CM曲を集大成した「坂本龍一ワークスT」、 TVテーマ&未発表インストを集大成した「坂本龍一ワークスU」が発売された。 曲のダブりが数曲あるが、ほとんどが新しく発掘された楽曲。

一枚にして廉価にすべきではないか、 あるいは二枚組にしてもっと未発表曲を収録すべきではないか、 曲データの不備が目立つ、解説書の扱いが… など商品として不満な部分もないわけではない(というより不満が多い商品)が、 まずは企画としてはいいのではないか。 音源の発掘代金として考えるなら安いといえるかもしれない。 何度も何度も繰り返し聴くわけだし、 なにより未CD化作品を一気に聴く機会に恵まれたということなのだから。

残念ながら個人的に思い入れが強く、 CDへの収録を期待していた千年コーヒーの音楽は未収録だったが、 この「NHKジングル」が収録されたことに感謝したい。 この曲はNHK日曜朝に放送されていた「お元気ですか(タイトル失念)」のテーマ曲。 こういう曲に突然再会できるからCD購入がますます止められなくなるわけか…。


▼本日のインプットメディア▼

・CD「ア・ドッグ・スマイルド/高橋幸宏」
・CD「坂本龍一ワークスT/坂本龍一」
・CD「坂本龍一ワークスU/坂本龍一」



2002.11.21(木)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

WPC6-10232

「ファム・ファタール
オリジナルサウンドトラック/坂本龍一」

2002.11.07リリース


話題のサスペンス映画「ファム・ファタール」サントラがいよいよリリースに。 徐々に高揚感が高まる傑作曲「Bolerish」をはじめ、 音響派風の「Stop or ill shoot」、 坂本自身によるピアノ演奏曲「Bolerish」、「Last Theme」など、 今までとは一味も二味も違う 新しい坂本音楽が楽しめるディスク、ではあるのだが…。

唯一不満があるとするならば、特典が皆無で、 映画の解説すらないというのはあまりに不親切ではないのか、ということに尽きる。 これは坂本氏の音楽うんぬんの問題ではなくてCD制作上の問題というところか。 特に例の三枚組でのワーナーの丁寧な仕事振りを評価しているだけに惜しい気がする。

以前も書いたが、こういう仕様のものを 例えばアニメ、特撮ファン向けの商品としてリリースした場合、 かなりの反発がメーカーに寄せられるだろうと思う。 それだけ熱狂的なファンが多いわけで、 メーカーも真剣に取り組まざるを得なくなる。 一度アニメーション作品の特典をショップで見てほしいものだ。

ただ特典が度を過ぎるとこれもまたありがた迷惑になるわけではあるが。 例えばフィギュアなど特典につけられても保存に困るだけ。 最近の例ではDVDボックスがヒーローの面だったりする困ったボックスがあったりする。

というわけで特典うんぬんは必ずつけて欲しいというわけではなく、 最低限、購入者が満足できる商品を提供してほしいということなのだ。 それはファンのわがままといえるのだろうか。

もっとも音楽さえ聴いていればそれでいいのではないか、という意見もあるのも事実。 あくまでも購入した側が少しだけ得をした気分になれる付加的要素を、ということだけなのだから。 同じ商品を廉価で欲しいのならば、何も国内盤を購入する必要などなく、 輸入盤を廉価で、もしくは新古店などで安く商品を購入すればいいだけの話になる。

坂本ファンに限らず、一般的に音楽ファンといわれる層は、 よりよい商品を入手するため、もっと意見をメーカーに提案してもいいのではないかと感じる。 特にこのサウンドトラックは今後の坂本音楽を大いに期待させるよい出来だけにCDだけに、 非常に悔やまれる、ということをここに記しておきたい。


▼本日のインプットメディア▼

・CD「気分で聴くクラシック第1集/矢野顕子セレクション」
・CD「気分で聴くクラシック第2集/矢野顕子セレクション」
・CD「気分で聴くクラシック第3集/矢野顕子セレクション」
・文庫「戦後短篇小説再発見E 変貌する都市」講談社文芸文庫



2002.11.22(金 )

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

AGCA-1007

「ア・ドッグ・スマイルド/高橋幸宏」

2002.11.20リリース


うーん。同じアルバムから何曲も収録されているのならばせめてミックス違いにするとか…。

こういう商品と遭遇する度、高橋幸宏というアーティストほど、 70〜80年代における実績に比べて 再評価に恵まれないアーティストもいないのではないかと悔しい気分になる。 自身の関連レコード会社からリリースするのならば、 過去カタログのリマスター復刻を行ってほしいものだと思う。

また、細野ボックス、坂本三作完全ベストのような、 高橋幸宏の音楽軌跡が一望に俯瞰できるCD企画もいい。 他者に対する提供曲も多いし、サディスティック・ミカバンド〜現在までの長い音楽活動を思うと、 前二氏と比較しても、文字通り実にポップな音楽図鑑が完成する気がする。 2003年はYMO結成25周年、散開20周年、そして再生10周年という記念すべき年でもあり、 ぜひとも現実化してほしいものだ。 それをきっかけに高橋幸宏再評価気運が高まれば言うことはない。


▼本日のインプットメディア▼

・DVD「映画クレヨンしんちゃん
嵐を呼ぶモーレツオトナ帝国の逆襲」
文字通りの傑作。万博をリアルタイムで体験、および追体験したオトナたち、 そして何よりこれから21世紀を生きるコドモたちに送りたい。 クレヨンしんちゃんに対する下品な作品だという評価も確かに正しい。 が、この作品だけはその一言で切り捨てられるにはあまりに惜しい。 少なくても製作者たちの真剣にモノを作る姿勢だけは感じられる。 これは「クレヨンしんちゃん」という素材を生かした、 「オトナ」たちの「コドモ」たちへの大きなメッセージムービーなのだろう。 すでに失われたモノ、に対する愛があふれたそんな傑作。



2002.11.25(月)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

AGCA-1007

「空に会おうよインストヴァージョン」

2002.11.20リリース
「坂本龍一ワークスU/坂本龍一」収録


EXPO85住友館「空に会おうよ/モモ(やまがたすみこ)」のインストヴァージョン。 ボーカルヴァージョンもいいが、このインストヴァージョンの方が いわゆる良質な坂本ポップスの妙を味わうことができる。

こういう曲を聴く度思うのだが、 教授は本当にいいメロディーを生み出す。 明るい雰囲気を持ちつつ、 どこか切なく美しい雰囲気を持つ曲といったらいいのだろうか。 品がなく下世話な曲が多いなかで、確実に救われる。 人が癒されるのは何も「エナジーフロー」のような曲だけではないのだ。

それにしても、楽曲のよさと反比例するように、 相変わらず不完全な資料には辟易してしまう。 録音データはもちろんないし、 なによりボーカルが誰なのかという表記すらないのは致命的ではないか。 後世に正確なデータを残そうという意識はないのだろうか。 せめて誤植だけでは避けてほしい気がする。 「会う」と「合う」では大違い。 教授がプロの仕事を見せてくれたのだから、 いかに企画モノであっても製作者としてのプロの仕事を見せてほしいものだと思うのは自分だけだろうか。


▼本日のインプットメディア▼

・CD「鈴木茂&ハックルバック」
・CD「JOURNEY TO YOUR HEART/BOX」
・CD「HAVE A HOT DAY!/杉真理」



2002.11.26(火)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

CSCL1111

「JOURNEY TO YOUR HEART/BOX」

1990.03.21リリース


 それにしてもこのアルバムから感じるポップ度の高さは何だろうか。 カラフルな総天然色の音色、決して色あせないメロディ、優しさと暖かさにあふれた歌詞。 多分60年代後半にごく普通にラジオから流れていたであろうポップス。 ポップスが持つ毒の部分が昇華された、聴く者を幸せにさせるそんな音楽。

 最近いわゆるシティポップス系統の音楽CDを収集しているのだが、 YMO系列の音楽を聴き続けた者にとって、これらの音楽に対し新鮮なモノを感じるのも事実。 思えばこれらの音楽はYMO系列の音楽と同じ時間軸で生まれているわけで改めて音楽の幅広さを感じさせる。

もっとも、優れた音楽家であると同時に優れた演奏家でもある YMO系列のアーティストがシティポップス系統のアルバムにクレジットされているわけで、 実は微妙にリンクしているのもまた事実。 さらにいうならば、プロデューサーとして名を連ねている 飯尾芳史氏はYMO系音楽のエンジニアとして活躍している。

 それにしてもBOXに限らずこの手の音楽は少しも古びないのは、 曲が生まれた瞬間からすでにスタンダード化する運命にあるとしか思えない。

 多分BOXの中心的存在である杉真理にそのカギは隠されている。 デビュー以来着々とキャリアを重ねているにもかかわらず、 一向に初々しさを失うことがない彼の存在こそが BOXのポップ度の高さを支えているのではないかと思う。

 音楽を聴けば聴くほど新しい鉱脈を発見することができる。 音楽と音楽の意外な繋がりが待っている。 そう、僕たちがその気にさえなればそれはそこにある。


▼本日のインプットメディア▼

・小説「ささらさや/加納朋子」幻冬舎
▲しかしある意味ずるいよね。泣かせるポイントを押さえているというか。 というより彼女の人柄が作品ににじみ出ているといった方が正確なのかもしれないなあ。



2002.11.27(水)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

VICL-60886

「ちょびッ!オリジナルサウンドトラック001
/高浪敬太郎」

2002.07.03リリース


 元ピチカートファイヴ(という表現も古くなってしまったが)の 高浪敬太郎氏による70年代ソフトロックなサウンドトラック。 アニメ自体の力がある作品=人気がある作品、ということもあり、 どんなモノを作ってもある程度売れるのだが、まさかソフトロックとは。 いまだかつてアニメーション作品の音楽で大々的にフューチャーされたことがあっただろうか。 そういう意味で記念碑的作品といえよう。

 ただしこの場合の70年代ソフトロックなという表現はあくまで…的なと解釈していただきたい。 実際に2002年の今作られる音楽は今のものでしかないわけで、記号的な表現だ、ということ。 印象的なスキャットとブラス、電子オルガン、ストリングス等で構成されているインスト曲といっても、 実際聴いてみないことには分からないかもしれないが。

 また曲と曲の間に作品の登場人物による台詞が入っているという構成がマニア的発想であり、 60年代〜70年代のアルバムを彷彿させてくれる。 こういうユーモアが音楽から失われて久しい気がする。 アニメーションに造詣が深い方にはドラマCDがあるではないか、という意見もあるだろうが、 あれはあくまで「動画のないアニメーション作品」であり、 むしろ一枚のアルバムの中での「ジングル」あるいは「スポットCM」的な存在という気がする。

 聞くところによるとアニメーション作品における音楽製作費および製作時間は想像以上に少ないらしい。 なにしろ生のオケで音楽製作をしたことがない音楽家がいるということからその状況が分かるというものだ。 音楽は所詮映像に付随するものにしか過ぎないという認識なのだろうか。 一音楽ファンとしては何か寂しい気がする。

 となると条件の悪い中で音楽を作り出す音楽家は芸術家としてではなくて、 むしろ職人としての技術を問われることになる、ということになるのだろうか。

 いや、限られた条件の中での音楽製作では、 当然のことながら自分の持つ引出し=蓄積してきた音楽を生み出すマジック、が必然的に表れるわけで、 やはりその両方が同時に存在することになるのだろう。 引き出しの多い音楽家は限られた条件においても最高の作品を最善を尽くして作り出すはずだから。 もっというならば、そのマジックを持っていない音楽家には音楽を作ってほしくない気がする。

 ゆえに高浪氏の作り出した音楽は必然的に初期ピチカートな音楽にならざるを得なかったのだろう。 高浪氏といえば「ポップス」の持つマジックに熟知した音楽家であるわけで、 何も不思議ではないといえるのだが。 初期ピチカートの雰囲気が好きな者にとって意外なところであの音に再会することになった。

 彼はこの後、もう一枚「ちょび!」の音楽アルバムを製作するという。 作品自体はおそらく見ることはないだろうが、 音楽だけは次回も楽しませてもらおうと思っている。

 こうなると意外な音楽家によるサウンドトラックアルバムを聴きたくなる。 …と考えたが、個人的に好きな音楽家たちは皆サントラを手がけているようだ。 坂本龍一、西村由紀江、高橋幸宏、細野晴臣、大貫妙子、矢野顕子、ブライアン・イーノ、井上鑑…。 そういえば竹松舞のハープによる音楽はまだないか。どんな映像作品と合うのかは分からないが。

 意外な作品への意外な音楽家による音楽製作を楽しみに、 今後もサウンドトラックを聴いていきたいと思っている。


▼本日のインプットメディア▼

・エッセイ「東京異端者日記/森奈津子」廣済堂出版
▲こういう文章が書けたらいいなあ。なんか気が楽になりそう。 でもここまで自分(の一部分)をさらけ出すのはいやだけど。



2002.11.28(木)

メディア・タイトル 感想(その日の気分)・備考など
・CD

COCQ-83596

「カスタ・ディーヴ/デュオ・プリマ」

2002.06.21リリース


 従姉妹同士のふたり(礒絵里子、神谷未穂)から成る ヴァイオリン・デュオのユニット。
 主役を表すPrimaはスペイン語で女性の従姉妹の意味を持ち、 まさにこのふたりしか付けられないネーミング。
 幼いときからともに学び、高校…桐朋学園大学を卒業するまで、 ほとんど一緒に過ごしたふたりが、成人してそれぞれの地へと学びの歩を進め、 それぞれ活動しながらも、 また新たな響きを創るためにふたりの個性と音色を活かしたデュオへと公式デビューを果たした。
 2001年12月のデビューリサイタル以後、 海外のオーケストラとの共演、各種コンサート、放送への出演など、各界からの注目を集めている。

 先日、彼女たちのコンサートを見る機会に恵まれた。 個人的に忙しい中でのコンサートということもあり、 時間のやりくりが大変だったが、結果は「無理して行ってよかった」。 その上、いい演奏を体験したことが気分転換になり、 その後の仕事がうまくいった、というのはまた別の話か。

その後、当然のようにCDも購入したのだが、 やはり生楽器演奏は直接聴くに限る。 CDでは注意力が散漫になるというか、 後でまた聴くことができるという安心感から、 ついついながら聴きになりがちだが、 生演奏はその場でしかもその瞬間にしか聴くことができないため、 必然的に演奏家も聞き手側も真剣にならざるを得ない。 彼女たちの演奏には音楽が持つそんな力を感じる。

 …というようなことは今更コンサートや ライヴの魅力を知っている人には言うまでもないか。 なんのことはない、自分が単に出不精で たまにしかいかないコンサートだからついつい過剰に感動したのかもしれない。

 もっとも音楽を聴く場合、コンサートやライブがいいか、 CDがいいかという比較はあまり意味がないのかもしれない。 一口に言葉といっても話し言葉と書き言葉があるように。

 ライブは臨場感と即興性を楽しむメディア、 CDは気に入った音楽をいつでもどこでも何度でも聴くことができるメディアなわけで、 要は音楽自体を聴く場合、聞き手側の意識の棲み分けが必要だということだ。 音楽を楽しむことも様々な方法があってしかるべきなのだろう。

 さて、彼女たちのアルバムに話を戻そう。 収録曲として、クラシックに限らず、映画音楽、ポップスなど 一般的に分かりやすく親しみやすい曲を取り上げていることもあり、 堅苦しい雰囲気は皆無。ヴァイオリンファンやクラシックファン以外にもオススメしたい。 一部の好事家に彼女たちの音楽を独占させるのはあまりにも惜しい。

 こうなるとセカンドアルバムに期待がかかるが、 できれば映画音楽を取り上げる、 アルコ堂的には坂本龍一がらみの楽曲を取り上げるなどの工夫で、 様々な人々にアピールしてほしい。 コンサートを鑑賞した限り、音楽だけに限らず キャラクターとしての魅力も兼ね備えているような、そんな気がする。


▼本日のインプットメディア▼

・「beautiful thimg/オレンジ・ペコー」





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