1983アルコ堂メディア日記
7月前半分


このページは未森幸月がその日体験したメディアを紹介するものです。

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1999.7.1

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「DIVE」
/坂本真綾

菅野よう子さんプロデュースということで、 どういう方法論で取り組んでいるのかとワクワクしながら聴いたところ、 なんとA&Mレコードですかぁ。 ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ風、 ストリングスアレンジの曲が収録されていて驚き。 普通、分かりませんよ、これって。さすが菅野さん。

あと、サイズの「遊びにきてね」という曲のアレンジもストリングスが素晴らしかったけれど、 あれにも近い印象。 しかし、某Gではホーミーだし、もう世界中の音楽を把握しているような状態の菅野さんに今後も期待。
あ、肝心の坂本真綾さんのことを忘れてました・・・。

・1998年
CD発売
CD 「ひとりぼっちはやめた」
/矢野顕子

それにしても、この曲ジブリ映画の主題歌ということだとすると、 ひょっとしたら爆発的に売れるのではないでしょうか?。 そうなると、坂本龍一氏、坂本美雨さん、そして矢野顕子さんと 日本の音楽業界がすごい状態になりますね。うれしいですねぇ。 映画サントラも担当するということだし、期待したいところです。

・1999年
CD発売
CD 「故宮」
/センス

男女インストグループなんですね。 先日ラジオで聴いた時にはヴォーカルが入っていたので、 てっきりザバダックのような感じだと思っていたのでしたが・・・。 まあ、可も不可もないそんな感じ。 和みものが好きな人はいいのではないでしょうか?。

・1996年
CD発売
BOOK 「江戸の快楽」
/荒俣宏

油断していると書店にすぐならんでしまう荒俣本。 見つけ次第購入しないとまたたく間に溜まるので、 すぐ購入するようにしているのだが・・・。
余談はさておき、この本は下町情緒を探しに 荒俣先生が日本橋下町を探訪した記録とでもいうべき書であり、 極上の名所めぐりの書にもなっている。
神社仏閣に詣で、老舗の味に舌鼓を打ち、回遊式庭園に憩う。 目からウロコの日本橋下町へどうぞ!。

・1999年
刊行


1999.7.2

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「フラッシュバック・ディスコ」
/電気グルーヴ

砂原脱退後の電気シングル。 うーん、ストレートですね。 うわさでは音楽性の違いではなく、 バンド運営上の相違ということでしたが・・・。 脱退した結果についてはニューアルバムまで持ち越しということで。

・1999年
CD発売
CD 「st.GIGA
サウンド・オブ・ザ・アース
岩手・花巻/
風の中のイーハトーボ」

st.GIGAの初期コンセプトは本当に素晴らしかったと思う。 ほとんど奇蹟的な放送をオンエアしていたとあらためて実感している。

このディスクは世界各地のサウンドスケープ=音風景を録音したもの。 他にこのシリーズには屋久島、知床、小笠原諸島、バリ島、カリブなどの音が収録されているディスクがある。 劇的なことは起こらないが、世界とは、自然とは本来そういうものではないか?。

また、作家である寮美千子さんの文章がまた素晴らしい。 彼女の作ったいくつかの詩は「st.GIGA」でも朗読されている。 最新作品「星兎」も発刊されたばかり。ぜひご覧いただきたいものである。 ちなみに同作品は「st.GIGA」を作ったプロデューサーに献辞されている。

・1992年
CD発売
CD 「ミュージック・フォア
山本耀司コレクション
1995」
/坂本龍一

坂本氏のアンビエントもの。 この機会に坂本氏のこの手のCDを大量に市場に出した方がいいような気がする。 そうすることで、何かの流れが変わるような予感がするのだが・・・。

・1996年
CD発売


1999.7.3

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
BOOK 「夏のロケット」
/川端裕人

音、音楽関係小説、青春群像小説 (といっても明るいタイプのもの。間違っても青春の門タイプではない<笑) ばかり時間があれば読んでいる。 特に後者については、一つの事件(事項)を 分業制で取り組むというパターンのものが特に気に入っている。

ちなみにその対極にあるのがYMOだと思う。 基本的に何にでも対応できる音楽家集団という印象が強い。 分業ではなく、共同作業を追求していた奇跡のバンドがYMOではなかったか?。

余談はさておき、高校時代ロケット班なるクラブに所属していた5人の仲間たちが再会、 火星目指してロケット開発にいそしむという理系青春小説。

何より、科学技術用語が繰り返し登場するのが気持ちよいが、 少しも難解に感じないのは、やはり巧みな登場人物の性格付けにあるのだと思う。

主人公であるぼく高野は新聞社の科学部、
押しの強い体育会系の北見は宇宙事業本部、
リーダー的存在な日高こと教授は宇宙開発事業団研究者、
職人肌の清水は特殊金属メーカー研究者、
氷川はロックスター。

というような一癖もふた癖もある登場人物が それぞれの領域でロケットつくりに邁進する姿は、 映画オネアミスの翼を見るかのごとく、気持ちがよい。

過激派出現、ある島でのロケット組み立てなどなどの様々な事件が発生する中で、 果たして彼らのロケットは無事大気圏を突破することができるのか?。 火星に人間を送ることができるのか?。 そして、5人のいかれたロケッティアである彼らの未来は?。

映像化を切に望む。

・1998年
文藝春秋刊行
CD 「裸の王様
王様のアイデア」
/小西康陽

ピチカートファイヴの小西さんが関わった楽曲を集めたオムニバスソング集。 サブタイトルが「小西康陽の仕事1987−1994(ソニー・ミュージック篇)」ということで、 他社からのアルバムも発売されるのか?と思った人もいるでしょうが、 いわゆる宣伝文句の一環ということで(笑)。

南佳孝、楠瀬誠志郎、バザール、芳賀ゆい、ユニコーン、杉真理、種ともこ、ササジーズ、 井上睦都実、電気グルーヴ、奥居香などの楽曲が収録されている。

7月にはピチカートファィヴのシングルも発売するが、 まずは予習も兼ねてこのアルバムを聴いてみるのはいかがだろうか?。

・1995年
CD発売


1999.7.4

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「テクノ歌謡/コズミック・サーフィン」
/ビクター編

坂本龍一がらみは飯島真理さんの「シャイン・ラブ」、 細野晴臣さんがらみはコスミック・インベンションの「コズミック・サーフィン」、 山田邦子さんの「哲学しよう」といったところ。

ただ、ビクターの音源には実は期待していたのだけれど、内容か今ひとつという感じ。 なにより榊原郁恵のロボットが収録されていなかったのが実に痛い・・・。 (それともビクターではなかったっけ?) あと、ビートたけしの「たかをくくろうか」。

もっとも三作目のこのシリーズ、楽しみなCDシリーズに育ちつつある。 今後も各社からぞくぞく登場するということで期待したいもの。

それにしても、この音源の数々を聴くにつけて、80年代というのは 実に軽薄だったのだなぁと実感してしまう結果になってしまうのは何故か?。

・1999年
CD発売
CD 「ベリッシマ」
/ピチカート・ファイヴ

ジャケットが最高!!。 田島節もこの時期のピチカートに新風を巻き起こしたと思う。 重ね重ね田島氏の脱退が惜しい・・・。

・1988年
CD発売


1999.7.5

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「cook some dishes」
/YUKARI FRESH

ポップでテクノなアルバム。 しかも、かわいいボーカルと、実にアルコ堂主宰者の音楽的なツボを押さえている(笑)シングル。 村上ユカもチープテクノだが、彼女ほどメロディを重視していなくて、 むしろ音と遊んでいるような感じ。いい意味で笑顔になれるテクノ。

ちなみに彼女たちが所属するエスカレーターレコードについての詳細は、
こちら で知ることができる。

こういうグループが存在しているからインディーズは侮れない。

・1998年
CD発売
CD 「FACE」
/フラット・フェイス

ワールドスタンダードがフレンチテクノをやってみましたという趣向のアルバム。 音色が非常に好み。MIDIはこういう色合いの音楽をリリースするから好きだったのだが・・・。
いずれにしろ初期ピチカートが好きな人にはぜひオススメしたい一枚。



1999.7.6

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「NEW YEAR'S FRESH」
/YUKARI FRESH

裏ジャケットが非常に好き。 アートディレクションがこれまた音と合致していて好き。 音も前日聴いたシングルディスクそのままのテクノでこれまた好き。 もっとボーカルが目立つようなミックスというか、曲構成にすればなお良し。

いっそ、どこかのレコード会社でメジャー展開してもいいのではないか?。 ただし、そうなるとあの独特の音が変化するだろうと思われるので、 いささか不安ではあるのだが・・・。

・1998年
CD発売
CD 「LOGIC」
/LOGIC SYSTEM

1981年リリース。 あの「BGM/YMO」と同時期に制作されたアルバム。

音色は初期YMOの(というよりソリッド・ステイト・サヴァイヴァー) 延長であるというのが非常に興味深い。 YMOが「BGM」、「テクノデリック」と独特の音色を 方法論として使用するのに対して、 松武さんのソロアルバムでは YMO的な音色を聴くことができるということは、 初期YMOの音は彼の力によるところが大きいのだと あらためて実感してしまう。

最近のテクノに飽食している方は、 このアルバムを聴いてほしい。しかも、ヘッドホンで大音量で。 特に「LOGIC」の音色とスピード感を体験してほしい。 80年代初頭のテクノポップに対して感じた、 一つの未来感がそこに確実に生き続けている。 当時テクノにふれた人間は涙すること必至。

・1981年
CD発売


1999.7.7

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「うわのそら」
/ナーヴ・カッツェ

当時聴かなくてよかった・・・。 恐ろしい噂を聞いていたが、まさにその通りの結果に終わっている。

繊細なナーヴ・カッツェの音楽が好きだった者にとって、 このアルバムは文字どおりオーヴァープロデュース。 事実、このアルバムのリミックスものを2枚発表して、 ナーヴ・カッツェは休止に入る。

責任者にはぜひ当時の話を聞きたいもの。

・1994年
CD発売
CD 「Oui Oui」
/矢野顕子

発売して2年の歳月が経過(!)してしまっているとは・・・。 まったく古びないのが彼女の作り出す音楽の魅力というべきか。 やはり、明るい音楽が彼女には似合う。 秋に発売されるニューアルバムが楽しみ。

・1997年
CD発売
CD 「soundbytes」
(輸入盤)
/坂本龍一

MIDI時代の前衛的な音響作品を集大成したような趣向の海外編集アルバム。 まるで、自分が編集したかのような選曲がなされていて実に面白い。 やはりクールで自分が求めている坂本氏というのはここに収録されている音楽のイメージ。 もっとも窪田晴男氏の曲が収録されているのは御愛敬か?。

いずれにしろ、ウラBTTBのヒットによる癒し箱なるアルバムのリリースもいいのだが、 この手の前衛作品も無視してほしくないもの。 (ただしアメリカの市場を意識した作品は・・・)

・1994年
CD発売


1999.7.8

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「the very best of gut years 1994-1997」
/坂本龍一

車の中に一日置いたらジャケットがボコボコに・・・。 だから、この手のプラスチックものは嫌い。

余談はさておき、 確かメディア日記第一回分(1998.4.22)がこのディスク。 思えばずいぶん長期連載になったものだなと改めて実感。

1年前といえば正式開設して間もなかったので、 合計で1,000アクセス程度だったような記憶があります。 その時は教授のCDがオリコンで一位になるなんて思ってもみなかったのですが。 メディア日記を読み返してみると、よくこんなに毎日聴いて感想が書けたなというのが正直なところ。 今後も続けていきますので、よろしく御愛読のほどを。

(何やら個人的な話題を書いているような?。実に珍しい・・・。)

・1998年
CD発売
CD 「デモテープ1」
/プロデュース:坂本龍一・矢野顕子

改めてこのアルバムを聴きかえすと、 放送当時のことが思い出されて涙。

アルコ堂にも収録された方をはじめ、放送された方、リスナーの方 からメールをいただくけれど、 どのメールからも当時の状況が感じられ、 あらためて教授のこの企画が無駄なものではなかったなと思う。

アルコ堂に遊びにおいでの方はぜひこのアルバムを聴いてほしい。 伝言板に投稿されている方が当時何を感じていたのか、 多分その思いは伝わる、そんな気がする。

・1991年
CD発売
CD 「ピュア・ドロップス」
/大貫妙子

「カミング・スーン」とならんで、カワイイ路線の曲を集めたアルバム。 オリジナルアルバム未収録曲7曲(当時)を含んだお買い得のディスク。 紙のジャケットもいいし、かなりオススメできる。 MIDIもこういう良心的な商品を制作しているのだということで。

・1991年
CD発売
CD 「戦場のメリークリスマス
オリジナルサウンドトラック」
/坂本龍一

坂本映画音楽の最高傑作であり、記念すべき第一作。 このアルバムこそ、今売るべき商品ではないか?。 このアルバムが一般の方に再評価(まああえて言うまでもないが) されることを切に祈りつつ。

余談だが映画がDVD化されるといいのだが・・・。

・1983年
LP発売


1999.7.9

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CDS 「水中メガネ
/七夕の夜、
君に逢いたい」
/Chappie

デザイン集団グルーヴィジョンが生み出した着せ替えキャラクター「Chappie」。 そんなChappieたちが集まってCDデビューを果たしたのはご承知のことだろうが、 その第三弾シングルがこのCD。 (余談だが芳賀ゆいなどを思い出しているのはやはり年齢のせいか<笑)

「水中メガネ」を草野正宗氏が作曲しているのも話題だが、 アルコ堂的には「七夕の夜、君に逢いたい」に注目したい。 細野晴臣作曲、ティン・パン・アレイ編曲という豪華なもの。 ボーカルには森高千里を迎え、細野晴臣流ポップスを聴かせてくれる。 最近の細野晴臣さんのアンビエント系の音楽が苦手な人だった人も、 安心して聴くことができる曲に仕上がっている。

80年代初頭歌謡フィールドで活躍していた細野氏が好きだった人はあの時代を懐かしみながら、 聴くのもいいような気がする。

・1999年
7月7日
CDS発売
CD 「銀河鉄道の夜」
/細野晴臣

この作品が細野晴臣さんの全作品の中で一番好きだったりする。

特にこの時期(7月中旬から下旬)に聴くのが毎年の恒例となっている。

とにかく、美しいフレーズと音色が全篇に渡り展開している。 様々な音楽家が宮澤賢治の世界を音楽化しているが、 (もちろん、宮澤ファンのアルコ堂でもほとんど持っているけれど) このアルバムほど宮澤賢治作品の本質を捉えている作品も珍しいのではないか?。

現在好調にリリースが続いているテクノ歌謡〜テイチク編では、 あの幻のボーカルヴァージョン「銀河鉄道の夜」を聴くことができるらしく、 非常に楽しみでもある。

・1985年
CD発売
CD 「碧空のバリ」
/楽園の音楽3

波の音とガムランが絶妙にミックスされたアンビエント音楽。 さすがは民族音楽音源の宝庫であるキングだと唸らせられる。

「大自然の響きにやさしい民族音楽の調べが溶け合う音空間、 やすらぎのひとときを演出します」とは、この楽園の音楽シリーズのコンセプトだが、 衛星ラジオ放送局「ST.ギガ」が好きだった者にとっては、 まさに至福のディスクである。

・1995年
6月21日
CD発売
CD 「ウラBTTB」
/坂本龍一

飽きずに毎日このディスクを聴いている。

本当に売れているディスクで、 坂本ファンにとっては今だに信じられないのではないかと思う。 (アルコ堂でもそう) 自分が好きな音楽がここまで世間に受け入れられると、 非常にうれしい気がする。まあ、売れる=いい音楽という定義は嫌いだけど。

便乗商法も今後大量に増えると思うが、 アルコ堂ではその商品の全てを購入、 その善し悪しを紹介していくので、ご期待のほどを。 なお、このディスクについては¥1,400という価格設定といい、 内容といい非常に満足している次第。

・1999年
5月26日
CD発売
CD 「イエロー・マジック・オーケストラ」
/イエロー・マジック・オーケストラ

イエロー・マジック・オーケストラの海外ファーストアルバム。 テクノポップで、エキゾで、ポップスな70年代の終焉を告げた革命的なアルバムだと、 聴くたびに思う。 思えば、この衝撃をもう一度体験したくて、 3,000枚ものアルバムを購入しているのかも知れない。 やはり、自分は音楽が好きなのだということを実感できる、そんなアルバムでもある。

・1979年
7月25日
LP発売


1999.7.10

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「ジャパニーズガールズ」
/V.A

1998年。もう二度とない、14人の「日本少女」が残した夏の音の記録。 「ストロオズ」「デイジー」「エクレール」「空気公団」「NOE」「藤本左起代」など、 無名の音楽家たちが音楽を紡ぎ出している。

このアルバムを聴くと、80年代に確実に存在していた文学少女の存在を思い出さずにいられない。 文学少女というのは、読書をする女の子という意ではなく、 独特の感性を持ったごく少数の少女たちのこと。 彼女たちは今何処に行ってしまったのだろうか?。 大半の少女たちが社会に収斂されてしまったとしたら、 その結末はあまりにも悲しすぎる。

CDに収録されている音楽はR&B系ほどソウルフルではなく、 いわゆる売れることを意識しすぎた商業的な音楽でもなく、 自分たちが自分の持つ感性を信じ、 おおらかに音楽を楽しんでいる姿勢が感じられるもの。

音楽の良し悪しではなく、彼女たちの凛々しさを肯定したいと思う。 つまらない少女たちが増加していることに失望を覚える時もある。 それでも今は彼女たちの音楽と ジャケットに使用されている集合写真の笑顔を信じたいと、そう思っている。

・1999年
1月25日
CD発売
CD 「NET17」
/NET17

シンクシンクレコード発足記念CDとして発売されたもの。 参加しているのは細野晴臣、寺田康彦、flipflop、 nicely−nice、P.O.Sなど、 このプロジェクトに賛同するアーティストたちの楽曲を収録している。 レーベルオーナーが寺田氏、 しかもエンジニアがあの小池光夫氏ということもあり、 YMO世代、YMOが好きな人間にとっておもわずニヤリとしてしまう音に仕上がっている。

このレーベルについて個人的に感じていたのは、 テクノポップ+ボーカルスタイルという音楽が中心になっているというものだったが、 こうして聴いてみるとそれは現時点の段階の音であって、 (村上ユカ、スノーモービルズなど)実は、もっと幅広い音楽を作り出そうとしているようだ。 テクノポップを柱にアンビエント、ソフトポップなどなど。 もっとも、そこにはやはりポップなものを作りたいという意志が働いているのだが。 いずれにしろ、今後の展開に期待したい。

なお、アルコ堂はシンクシンクレコードを全面的に応援する姿勢をここに表明しておく。

・1996年
CD発売


1999.7.11

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
BOOK 「フル・ムーン」
/写真集

月関係の書籍を収集しているアルコ堂としては見逃せない一冊。 内容は過去刊行された月写真集とは比較にならないほどのクオリティを誇っている。 特に月面の風景には心揺さぶられる。

それもそのはず、1967年から1972年にわたって行われたアポロ計画で 宇宙飛行士によって撮影された写真は約32,000枚あまり。 報道写真として公開されたのは約20点。しかも、その月面写真については複写につぐ複写のために、 著しくクオリティが劣化していたという。 (だからこそ過去発表された写真と今回の写真集が比較にならない理由が分かる)

今回の写真集ではNASAが門外不出とした膨大な未公開写真から、 129点のオリジナル写真を選別して、ロケット打ち上げ、月面着陸、活動、離陸、そして地球への帰還を 時空列に再構成したものである。

そして同時にこの写真集に収録された写真の数々は、 自分自身の心にある原風景というべきもので、 鉱物が支配する風景の絶対的な荒涼感はほとんど快感。 この写真集は今後の自分の指針となるべき方向性を秘めた 大切な写真集となりそうな気がする。

いずれにしろ、この写真集を刊行した新潮社に再度感謝したい。 価格は恐ろしく高いが、好きな人にとってこれほど貴重な写真集もないのではないか?。

・1999年
新潮社刊
CD 「POP RATIO」
/NICE MUSIC

YMO世代が作り出すサウンドはそうと分かるものと、 まったく想像がつかないものの二つがあるが、 彼らが前者に該当するということは間違いない。

しかも、カラフルなテクノポップ(例えるならばYMO「浮気なぼくら」) を展開していて、 いわゆる「ぐっとくる(高橋幸宏)音」を作り出しているわけだが。 あのトニーマンスフィールドが参加していたり、 音色がアナログシンセ風だったり、 テクノポップマニアにはたまらないものがある。

最大の疑問はキャッチーなフレーズと曲、リアルタイムな歌詞を備えているのに なぜヒットしないのか、不思議であること。 まったく、日本の音楽リスナーは何を聴いているのか、理解に苦しむ。 (もっともアルコ堂でも彼らのアルバムを初めて購入したのだが) とりあえず、何枚か発売されているアルバムを一聴することをおすすめしたい。

・1995年
10月21日
CD発売
CD 「YUKARI'S perfect!」
/Yukari Fresh

本当にユニークな方々(笑)。 タイトルといい、音響といい実も好みです。 ライヴとかやらないのでしょうか?。 絶対見に行くのだけど・・・。

この一週間で集中的に何枚か聴いて思ったことは、 楽しい音楽というのは演じている方も、 聞き手側も絶対幸せになれるということ。 この場合の楽しい音楽というのは、 言葉ではなく音自体が表現している楽しさのようなもの。 殺伐として軽薄なだけの音楽が多い中、 期待したいと思う。

・1997年
CD発売


1999.7.12

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「NICE MUSIC NOW!」
/NICE MUSIC

フリッパーズ・ギターが好きな人は絶対好きになるアルバムだが、 彼らの本領発揮という感じはあまりうけない。 やはり、ポップな詞&曲+適度なテクノ感覚があってこそ、 ナイスミュージック的だといえるのではないか?。

・1994年1月21日
CD発売
CD 「散歩前」
/村上ユカ

適度なテクノ感覚ということで、 やはりシンクシンクレコードの歌姫、 村上ユカを忘れるわけにはいかない。 以前にも書いたが特に「野ばら」と「ブランコ」の テクノポップ感覚はほとんど快感ですらある。

・1998年
CD発売


1999.7.13

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
CD 「singing circuit」
/shi−shonen

テクノポップがほぼ死滅状態にあったこの時期、 このアルバムが発売されたのは意味がある。 明らかにYMOというプロジェクトが終了、 次世代にその種子が確実に託された記念すべきアルバムだったように思う。

サイズ、shi−shonenといった新世代に託されたテクノという様式は、 90年代に「テクノ系」と「小室系」などに枝別れしながら今に至るのだった。 そして、1999年以降は?・・・。

余談だが、サエキけんぞう氏の存在というのも、 この時期のテクノポップにかかすことができない。 彼の詞がいかに新世代によるテクノポップ宣言に貢献したか、 ぜひ各々で探求していただきたい。(特にアルコ堂に訪れる方は挑戦を) 自身のバンド「パール兄弟」をはじめ、 所有しているCDのライナーに彼の名前を見出すことができるはず。

・1985年
CD発売
CD 「nice to meet
the nice music」
/nice music

結局、テクノという手法を使ってポップな音楽を作り出す音楽家たちが好きなのだと思う。 つまり日本独自に生まれた「テクノポップ」が好きということなのだが。

もちろん、90年代に生まれた「テクノ」、 80年代初頭の海外で展開していた「テクノポップ(エレポップか?)」 ももちろん好きなのだが、いわゆる日本人が作り出す「テクノポップ」が一番肌に合う気がする。

彼らのデビューアルバムである本作においてもその片鱗を窺い知ることができる。 奇しくも同時期に再生した「YMO」の作品と本作を比較するだけでも面白い。

・1993年
6月23日
CD発売


1999.7.14

メディア タイトル 感想(その日の気分) 備考
COMIC 「神童」全四巻
/さそうあきら

音関係の書籍を集めているアルコ堂だが、 小説、コミックなどについても音がかかわっているものは収集するように心がけている。 (いわゆるバンドものについては、特別の場合を除いて省いている。 あくまでも音が物語の中心に位置づけられていなくては面白味にかけるためだ)

このコミックでは「音」が物語の中心に位置付けられているだけに、 実に興味深く読み進めることができた。 正直なところ、絵は・・・という感じ。稲中というかバタアシ金魚の亜流というか。 しかし、そんなことは些細なことに過ぎず、 圧倒的な音と音楽にまつわる物語の数々に驚きをかくせないでいる。 しかも、適度なギャグ感覚もあり、読者を飽きさせることなく、 一気に読むことができる。

天才少女ピアニスト成瀬うたと彼女をとりまく人々が、 音とは、音楽とは何かを探求しつづける姿に何度も涙してしまう。

音体験は個人的なものであり、他者にはうかがい知ることはできないが、 その音を聞く人間にとっての個人的な何かがもっとも大切なことなのだ、 という当たり前のことを再認識させてくれるような気がする。

つまらないものばかりあふれている世界だが、 少しだけ見方を変えてみようと思う。 多分、そこには新しい世界が広がっているに違いない。

今後もアルコ堂では音に関する物語を探求したいと思っている。

・1998年
刊行
CD 「テイク・オフ・アンド・ランディング」
/砂原良徳

世界にあふれる音に対する見方を変えて、 コンセプトを作り出し、それに合致するように音を選択し、 音を配置し、音楽を作り出すという手法が好きだ。 そこでは歌詞というものは意味を成さず(意味として耳に入ってこない)、 ただ音だけが存在する。

このアルバムではそれを実行しつつ、 しかも聴きやすいポップな音楽へと仕上げている。 アルコ堂的にいう「いい音楽」というのは聴くたびに発見がある音楽を示すのだが、 このアルバムはその条件を少なくてもクリアしている。 何度聴いても音自体に発見がある珍しいアルバム。

この感覚というのは、YMOの中期アルバムにも見出せたことだと、今、改めて思う。 今、そういう気分になれるアルバムは少ない気がする。 ただし、そういうアルバムを見つけだした時の喜びというものは、 自分自身にしか分からないものだけに、貴重な体験だと思っている。 もっと、音自体を素材として生かした音楽が聴きたい、そう思う。

・1998年
5月21日
CD発売


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