池澤夏樹派のページ

帰ってきた男

担当:野々宮遥

池澤夏樹

(いけざわ・なつき 1945〜)

北海道生。埼玉大学理工学部中退。
詩人として出発し、
宇宙意識とでも呼ぶべき不思議な感覚の自由人と
普通の人間との関わりを描く「スティル・ライフ」(88・中央公論社)で芥川賞受賞。
女性火山学者の日常と内面を描く「真夏のプリニウス」(89・中央公論社)など
池澤の作品は深いところで幻想文学とつながっているが、
はっきりとした幻想小説となっているのは、
女神との交わりを象徴的に描く「アップリング」(88)、
不思議な音楽の聞こえる遺跡で、
地球や宇宙の意識と同化する体験をした二人の男の話「帰ってきた男」(90)等の短編である。

引用:日本幻想作家名鑑・幻想文学出版局

単行本リスト

書名 出版社 本体価格・
発売当時
出版年月 コメント 本帯からコメント引用
塩の道 書肆山田 1978 詩集
サ−カムナビゲイション イザラ書房 1,751 1980 エッセイ
最も長い河に関する省察 書肆山田 1,800 1982 詩集
夏の朝の成層圏 中央公論社 1,200 1984 長編小説・
文庫本有
闇の中の眩しい天国 北宋社 1,200 1985 映画評論・文庫本「シネシティー鳥瞰図」に収録
見えない博物館 小沢書店 1,800 1986/09 評論 「世界のあらゆる事象のカタログを意図して、内外の博物館、美術館を歩く。
アナログとデジタル、人間と道具と文明、そして物そのものの力」
博物館という切りとられた次空間が提示するさまざまなイメージをめぐって、
若い感性がきらめく」
ギリシアの誘惑 書肆山田 1,795 1987/04 エッセイ・
紀行文
「ギリシャはぼくに人間とはなにかを教えた」
「自然と人間が至福の夜と爽快な朝をともにする」
「明るい澄み透った国への案内」
「地中海の国へ」
ブッキッシュな世界像 白水社 1,800 1988 書評・
1993/10再編集出版 1,942円
「物語の世界が僕を育てた!」
「サリンジャーからガルシア=マルケスまで、
柔軟な思考と明晰な文章で探る世界文学の快楽」
「創元社版世界少年少女文学全集にはじまり、筑摩版世界文学体系を経て
現代文学に及び膨大な読書が作家池澤夏樹の知的養分となった。
だが読むことだけでは偉大な小説の生成の瞬間は見えない。
よい小説を書くためには何をどう掴めばいいのか。
そんな模索のなかに生まれた誠実な読書エッセーの数々。」
スティル・ライフ 中央公論社 1,200 1988/02 中編小説集・
文庫本有・
中央公論新人賞受賞作・
芥川賞受賞作
「遠いところへ とおいところへ心を澄まして 耳をすませて」
「新・芥川賞作家登場」 「静かに、叙情をたたえてしなやかに
清新な文体で、時空間を漂うように語りかける不思議な味
ニューノヴェルの誕生」
真昼のプリニウス 中央公論社 1,068 1989/07 長編小説・
文庫本有
バビロンに行きて歌え 新潮社 1,165 1990/01 連作小説集・
文庫本有
「一人の若き兵士が、夜の港からひっそりと、東京にやって来た。
名もなく、武器もなく、パスポートもなく・・・・」
「突然、この海のような大都会にほうり込まれた一人の異邦人。
その人生の一場面で彼とすれ違い、あるいはつかの間ふれ合い、
そして通り過ぎて行く男や女たち。
都会と、そこに生きる人間像を鮮やかに描ききって新境地を拓く小説。」
都市の書物 太田出版 1,359 1990/02 書評・
短編小説
「作家・池澤夏樹と最先鋭のグラフィックデザイナーが問う、
言語、デザインそして電子の新しい姿。
融合と乖離が織りなす意味と様式の現場と化した、地上最新の書物」
インパラは転ばない 光文社 1,262 1990/06 エッセイ・
文庫本有
「芥川賞作家の道、旅エッセイ」
マリコ/マリキ−タ 文藝春秋 1,165 1990/07 短編小説集・
文庫本有
「解き放たれた生。至上の愛」
「この浄福に身をゆだね得たなら・・・」
「自分という高い塔から降りてはじめて出逢う静謐で、透明な新しい生、本当の愛。
でも、誰も塔の降り方を知らない」
読書癖 1 みすず書房 1,957 1991/01 書評 「読書とは趣味や義務や仕事ではなく、それはひとつの性癖なのだ。
石川淳からミステリー、理科年表、童話まで、本と読書をめぐる風通しのよい97のエッセー=書評。」
南鳥島特別航路 日本交通公社出版事業局 1,553 1991/02 紀行文・
文庫本有
「東西三千キロ、南北二千五百キロに及ぶ芥川賞作家の日本列島大探査行」
「火山群、洞窟、豪雪地帯、崩壊する山々、絶海の孤島・・・・。
科学の目と文学者の感性で風景に向かいあった野外派作家の異色の旅」
越境者たち・人が動く、世界が動く TBSブリタニカ 1,748 1991 共著
読書癖 2 みすず書房 1,957 1991/06 書評 「宮澤賢治、ジョン・ル・カレから読んでいない必読書、ゲバラ日記まで、
読書の醍醐味を示す、本好きによる、本好きのためのブリリアントなエッセー」
エデンを遠く離れて 朝日新聞社 1,262 1991/06 エッセイ・
文庫本有
「小説家が遊ぶサイエンス・ワンダーランド
36の好奇心のかたち」
タマリンドの木 文藝春秋 1,165 1991/09 長編小説 「池沢夏樹はじめての恋愛小説」
「この新しい愛のかたち」
「人は結局は自分のために愛するのかもしれない。
自分らしい自分のために、自分以外の誰にも愛しようのない相手を選んで」
南の島のティオ 楡出版 1,359 1992/01 短編小説集・
文庫本有・
小学館文学賞受賞作
「少年ティオが語る愛とやすらぎの楽園」
「原始神話が息づく南太平洋の小島で、文明世界の住民と異界の聖霊と接近遭遇する」
森の祝福 淡交社 2,500 1992 エッセイ・写真集
母なる自然のおっぱい 新潮社 1,262 1992/10 エッセイ・
文庫本有
読売文学賞受賞作
「二十世紀末。
地球上であまりにも強大になってしまった、ぼくたちホモ・サピエンス」
「現代人の不安と混乱をいやす、自然と旅と冒険の話」
きみが住む星 文化出版局 971 1992/10 エッセイ・
写真(エルンスト・ハース)
「今、美しい風景を見たい。
今、美しい文章を読みたい。
今、美しいものに触れたい。」
越境する世界文学 河出書房新社 1,800 1992 共著
沖縄いろいろ事典 新潮社 1,500 1992 地誌・
共著
マシアス・ギリの失脚 新潮社 2,500 1993/06 長編小説・
文庫本有・
谷崎潤一郎賞受賞作
「マシアス・ギリとは何者か」
「マイアス・ギリは何を成そうとしたのか」
「南洋の架空の国を舞台にした政治と魔法と冒険の物語」
「南洋の暑熱と潮の匂いの中で展開する、日本政府の陰謀。
それと対峙する、島の不思議な霊力。倒れる鳥居、燃える日の丸。
ハシシュの芳香に満ちた娼館。孤独な独裁者の運命は?」
楽しい終末 文藝春秋 1,748 1993/07 評論・
文庫本有
伊藤整文学賞受賞作
「明日世界が滅びても今日君はリンゴの木を植えるか?」
沖にむかって泳ぐ
池澤夏樹ロングインタビュー
文藝春秋 1,650 1994/03 対談集・新井敏記によるロングインタビュー 「なぜ読むのか?そしてどのように読むのか。
なぜ書くのか?そしてどのように書くのか。」
むくどり通信 朝日新聞社 1,359 1994/05 エッセイ・
文庫本有
「好奇心は世界を渡る
ネパールの街角をうろつき
沖縄石垣島でマングローブを植え
たまに東京を文学散歩する
イケザワワールドの森羅万象」
イスタンブール歴史散歩 新潮社 1,400 1994 紀行文・
共著
クジラが見る夢・
ジャックマイヨールとの海の日々
テレコムスタッフ(七賢出版 発売) 3,107 1994/08 エッセイ・
写真集・
文庫本有
骨は珊瑚、眼は真珠 文藝春秋 1,359 1995/04 短編小説集・
文庫本有
「やわらかく、深く語りかけてくる池沢夏樹・九つの短編」
小説の羅針盤 新潮社 1,359 1995/04 評論 「上田秋成から山田詠美まで。もっともっと本が読みたくなる作家論」
星界からの報告 書肆山田 1,942 1995/04 評論 「人は満天の星をあおぎ、はるかな涯にひとつの光をみつける
池澤夏樹はつぶやく
きっと、人は遠方にみつめるべきものを必要とするのだ」
「山々を走り海に乗り出しせっせと地球を理想郷に造り変えて来た人間たち。
彼らは、遠く手の届かない所で光る星々に何を見、何を求めるのだろう」
日本の名随筆 別巻50 本屋 作品社 1,748 1995 随筆集・
池澤、選
むくどりは飛んでゆく 朝日新聞社 1,359 1995/05 エッセイ 「世界各地から発信されたエッセー」
「沖縄に巣をかまえたむくどり作家
コザのライブハウスや、座間味島の清明祭に顔を出し、
年間170日を海外に飛ぶ。
ダライ・ラマの説教を聞いても雑念は去らず、
インドネシアでさわやかなえびを食べる」
海図と航海日誌 スイッチ・パブリッシング 1,650 1995/12 書評 「あそこであの本に出合わなかったら」
「途上の人、池澤夏樹の半世紀にわたる読書遍歴、書物の海を航海する」
「小説家として、翻訳家として、また詩人として、
その端正な文体で読者を活字の海へといざなう池澤夏樹が、
自らの読書遍歴を通して、書物に溺れることの心地よさを知らしめてくれる。
書物のことが書かれた書物に埋没していく知的悦楽の時間、それは何よりも豊かな時間なのだ。」
池澤夏樹詩集成 書肆山田 2,800 1996/01 詩集「塩の道」「最も長い河に関する省察」収録。 「天空に向って枝をのばす池澤夏樹の文学
その幹を流れるもの、やがては葉先からこぼれる詩の雫。」
むくどりは千羽に一羽・・・・ 朝日新聞社 1,456 1996/05 エッセイ 「ハワイ・マウイ島に風の取材で出掛け、
ロンドンでは、猫の名前に頭をひねり、
沖縄に帰れば、米兵の少女乱暴事件に怒りをおさえきれない。
黙祷の夏には大岡昇平のレイテ戦記を読み直す。
そしてクジラに会いたくなったら、ふらりと座間味島へ」
未来圏からの風 パルコ出版局 3,107 1996/05 対談集 「ぼくたちはどこへ行くのか」
「ヒマラヤ、アラスカ、バリ島を巡り、ダライラマ、星野道夫、
そしてアメリカの最先端科学者たちを訪ねる、池沢夏樹の旅。」
ハワイイ紀行 新潮社 2,136 1996/08 紀行文・
JTB紀行文学大賞受賞
「ハワイイに行ったことがある、あるいはこれから訪れる人の必読書」
「楽園は可能だ、とハワイイはわれわれに教えているのだ」
「作家はまず、観光客が一番少ない島から歩き始める。
キラウエアの火口を空から覗く
タロ芋畑に案内してもらう
花々の美しさに魅せられ、それで作るレイの意味を探る
そして星をたよりに
最初にこの島々へ小さな船でやって来た人々に思いを馳せる」
「池沢夏樹が自らの足で歩き、島々を船で回り、
時にはサーフィンに挑戦したりしながら、二年間をかけて綴った書。
ハワイイ語やフラやレイ、航海術といった、
彼の地に豊かに息づく先住民族の文化に光を当てた、ハワイイの詳細なレポート」
やがてヒトに与えられた時が満ちて・・・ 河出書房新社 1,942 1996/12 短編小説集・
写真(普後均)
むくどりの巣ごもり 朝日新聞社 1,600 1997 エッセイ 「沖縄に移り住んで3年、むくどり作家の好奇心はますます旺盛。
島うた、「象の檻」、西表島のカヤック。
司馬遼太郎における元気な日本人像を考え、
星野道夫の非業の死を悼み、
三線を弾いて戦争終結を祝った沖縄人の発想に驚く」
やさしいオキナワ パルコ出版 2,300 1997/06 ルポ・
写真集(写真・垂見健吾)
「この本を開いてください。沖縄の人たちに会えます・・・」
「沖縄に移り住んで、自然の強さや美しさを身体に受け止め、
現実的な問題に心を痛めつつ、あたたかい人々に囲まれて日々を過ごす二人の作家
歴史と風土がはぐくんできた、やさしさの表情を、
写真と文章で一冊にまとめました。」
読書癖 3 みすず書房 2,000 1997/06 書評 「作家の蔵書や探偵の肖像から林達夫・吉田健一・藤沢周平の魅力へ
さらにクンデラやエーコ、ル・クレジオまで、
読書万般にわたる出色のエッセー=書評62編」
沖縄式風力発電 ボーダーインク 1,500 1997 講演集 島に渡り、沖縄を語り、世界を見つめる
島の風、社会の風、言葉の風、平和と戦争の風を受けて、
時に軽やかに、時に深く語る。
池澤夏樹初の沖縄県産本・おきなわ南の島々の講演集
明るい旅情 新潮社 1,200 1997/09 エッセイ 「旅に出る。風がふいている。空が高い。違う匂い、違う空気」
「きらめくような言葉で大切な記憶を封じ込めた極上の旅エッセイ。」
世界一しあわせなタバコの木。 絵本館 1,500/10 1997 短編小説・
絵本(絵・渡邊良重)
日本人のこころ 岩波書店 1,900 1997 対談集・
共著
むくどりとしゃっきん鳥 朝日出版社 1,600 1998.5.1 エッセイ 沖縄で角力を見たこと、ある?
ドリーム・キャッチャーって知ってる?
「借金返しちくりー」と鳴く鳥の正体は?
藤沢周平の魅力を一言で言うと?
イズラエル・カマカウォオレってだあーれ?
室内旅行 文芸春秋刊 1,714 1998.7.25 エッセイ ここではない、どこかへ
忙しい日常を離れて、
束の間の旅にでませんか?





文庫本リスト

>
書名 出版社 本体価格・
発売当時
出版年 コメント 本帯からコメント引用
シネ・シティ−鳥瞰図 中央公論社・
中公文庫
4401988/03 映画評論 「新芥川賞作家の真摯な映画論」
夏の朝の成層圏 中央公論社・
中公文庫
380 1990/04
スティル・ライフ 中央公論社・
中公文庫
388 1991/11 中央公論新人賞受賞作・
芥川賞受賞作
バビロンに行きて歌え 新潮社・
新潮文庫
388 1993/05
真昼のプリニウス 中央公論社・
中公文庫
466 1993/09 「女性火山学者の精神の冒険を描く」
マリコ/マリキ−タ 文藝春秋・
文春文庫
408 1994/04 「風のように自由で、さわやかだった南の島のマリコ」
「マリコは風のように自由で奔放だった。誰が彼女を引き止められるだろうか
魅力あふれる女性像を鮮やかに描く表題作。
前人未到の遺跡を調査する探検隊の生還者が聴いた至高の音楽はどこから来たのか。
神と出会った男の至福と錯乱を描いた「帰ってきた男」ほか収録」
南鳥島特別航路 新潮社・
新潮文庫
388 1994/06
エデンを遠く離れて 朝日新聞社・
朝日文芸文庫
500 1994
インパラは転ばない 新潮社・
新潮文庫
360 1995/06
母なる自然のおっぱい 新潮社・
新潮文庫
427 1996/02 読売文学賞受賞作 「自然からはみ出した人類の奢りと淋しさ。
ホモ・サピエンスと自然について考えよう!」
マシアス・ギリの失脚 新潮社・
新潮文庫
699 1996/06 谷崎潤一郎賞受賞作
南の島のティオ 文藝春秋・
文春文庫
437 1996/08 小学館文学賞受賞作 「少年のこころをとり戻す」
「ティオたちの南の島では本当に大切なものを思い出させてくれる」
楽しい終末 文藝春秋・
文春文庫
505 1997/03 伊藤整文学賞受賞作
むくどり通信 朝日新聞社・
朝日文芸文庫
540 1997/02 「沖縄でマングローブを植え、ネパールで30円もうける」
クジラが見る夢 新潮社・
新潮文庫
667 1998/04 「クジラに会って、世界が変わった」
骨は珊瑚、眼は真珠 中央公論社・
中公文庫
1998




その他リスト

書名 出版社 本体価格・
発売当時
発行年月日 コメント
虫とけものと家族たち・ジェラルド・ダレル 集英社・
集英社文庫
翻訳
母なる夜・カート・ヴォネガット 白水社 翻訳
クーデタ・ジョン・アップダイク 講談社 翻訳



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