サウンドビジュアート「不思議の国の龍一」
雑誌記事ページ



NO.1
「FMステーション」1986年9月X号掲載記事

新番組坂本龍一と不思議な仲間達(仮)
毎週日曜PM1時から1時55分 民放21局

坂本龍一がキミの感性を刺激する。
高感度人間は全員集合


教授こと坂本龍一が約6カ月ぶりにFMに帰ってくる。

今年3月まで約4年間にわたってDJをつとめた、
HNK−FMの「サウンド・ストリート」では、
日本でほとんど知られていないヨーロッパやアフリカのアーティストを紹介したり、
リスナーから寄せられたデモテープをオンエアしたりといった具合に、
その音楽活動と同様、新鮮で刺激的なDJぶりをみせた。

さらに先頃幕を閉じたメディアバーンライブでは、
ステージ狭しと動き回りながら歌うという元気いっぱいのステージで話題を集めた教授。

そんな彼をDJに迎えて、この新番組はいったいどんなものになるのだろうか。

まず、この番組のねらいを語ってくれたのは、横田ディレクターだ。

「現代は、非常に映像の力が強い時代で、
その向こう側にあるイマジネーションの世界の大切さ、
あるいは面白さというものが見過ごされがちだと思うんです。
ところが、最近の若い人々のなかには、そうした部分に目を向け、
しかもそれぞれ自分なりのやり方でそうしたイメージの
世界の面白さを楽しんでいる人をけっこう見かけるんですよ。
去年あたりから新人類なんて言葉が流行ってますけれども、
いま言った若者たちというのは、新人類と呼ばれる人たちとは
また違ったパワーを持っていると思うんです。
従来のイメージの中にうもれてしまっている言葉や考え方に、
新しい生命を与えるとでも言いましょうか。
この番組は、そうしたニューパワーに応えていくようにしたいんです」

だから、DJに教授が選ばれたというわけである。

番組では、毎回ゲストを迎えて、その話題に合った音楽を聴きながら、
教授とゲストのトークを中心に構成する。

「いま気になる人はスティング、ヨーヨー・マ(世界的に有名なチェリスト)、
ベルナルド・ベルトルッチ
(イタリアの映画監督。教授は彼が監督する「ラストエンペラー」に出演が決定している)」
という虚寿だけに、ゲストも音楽界に限らず、多彩な顔ぶれになりそうだ。

また、毎回一本ずつリスナーから寄せられたデモテープを紹介する。
「良いものがたくさん集まったらデモテープ特集もやりたいですね。
選考基準はうまいヘタよりもアイデアの面白さです。
新鮮さに期待しています」

さらに、毎回1曲ずつ教授自身が選んだ推薦曲を紹介する。
きっとユニークな選曲になるだろう。
これを毎回エアチェックすれば、すごいオムニバステープができあがりそうだ。

「坂本さんの音楽は、いつも新たな世界を切り開いて私たちに新鮮な驚きを与えてくれます。
そして、ビデオや電子楽器といった最新メディアを実にみごとにあやつってみせる。
坂本さんなら、従来の使い古されたイメージにとらわれない若者たちのパワーを受けとめて、
さらに大きなエネルギーを生み出してくれると信じています」

教授も横田ディレクターも、若者たちの自由な発想とパワーを非常に信頼し、
また大いに期待している。
その姿勢が番組作りの大きな支えになっているのは明らかだ。
となると、番組を作るもうひとりの主人公は、ラジオの前のキミたちみんなということになる。
ハガキを送るもよし、デモテープを送るもよし。どんどん番組に参加しよう。

第一回の放送では、番組開始を記念して、いとうせいこう、中森明夫など
いま話題の人々からメッセージが寄せられる。
お楽しみに。


写真コメント:
1.約6カ月ぶりのFM登場

2.いま気になる人といえば・・・

3.新鮮なアイディア待ってるよ


NO.2
「FMステーション(廃刊)」1987年3月X号掲載記事

教授とコイズミが語る 「今日的アイドル論」


1987年3月8日放送分

FM番組の顔は、DJ。
そのキャラクターや音楽観が番組のカラーを決める。
「不思議の国の龍一」のように、
DJ(坂本龍一)の名をタイトルに冠した番組の場合は、
その傾向がとくに強い。

これまで登場したゲストは、早見優、荻野目洋子から中森明夫、
いとうせいこう、そして久和ひとみと、実に多彩。
オンエアする曲もバラエティに富んでいる。

知的でありながらミーハーっぽいといわれる番組のカラーと、
ゲストの個性がどんな風に反応し合うかも、
この番組の楽しみのひとつではないかな。

この日は「アイドルと語ろう。アイドル今昔論」と題して、小泉今日子をゲストに迎える。
これまでのアイドルのイメージをうち破ったコイズミの個性が、
教授カラーとどのようにシンクロするか興味シンシン。

番組は、コイズミが大好きだというシンディ・ローパーの「チェンジ・オブ・ハート」でスタートする。
「性別や年齢に関係なく、みんなにアピールするかわいさがとっても素敵。
私もあんな風になりたいなぁと思ってます。
シンディは私のアイドルですね」と、コイズミ。

「一日中テレビばかり見ていた」
コイズミのアイドルはピンクレディだったとか。
「ひとりで部屋にこもって、フリのまねをしてよく遊んでいました(笑)」

彼女が考えるアイドルとは、
「みんなが決めるもの」、
そして「誰でもなれてしまうもの」だという。

一方教授は、自分の主義主張のままに自由にふるまっているコイズミこそ
「今日的アイドル」といえるのではないかという。
「チェッカーズの郁弥くんなんかにも同じことが言えますね。
衣装のセンスなどもとてもユニークだし。彼には才能がありますね」。

番組後半では、コイズミが逆に教授に質問するコーナーがある。
このコーナーの教授は、コイズミの質問に頭を抱えたり、
「思わずシリアスになってしまう」と苦笑いしたり。
いささか旗色が悪い。
はたしてコイズミはどんな質問をしたのかな。
それは聞いてのお楽しみだ。



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