メリー・ジェーンの作り方



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 このホームページ「面白半分」のコーナー、「Akira's コンサート」で紹介しているように、私もオリジナル曲を作っているが、曲を作るということは、それほど難しいことではない。

 もっともベートーベンの交響曲のように、壮大かつ独創的なものを作るといったら、私のような凡人にはとうてい無理なことだが、ポップス系統の曲であれば、既存の曲のコード進行やメロディーラインなどを少しずつもらいながら、自分なりの色づけをしていけば割と簡単にできてしまう。

 このような作り方を、業界用語では「パクリ」という(^^;)

 「パクリ」といってもバカにしてはいけない。音楽づくりの根本になるものに「動機(モチーフ)」があるが、それは様々なことから触発されたインスピレーションによる。雄大な景色に触発されることもあるし、失恋の痛手によって触発されることもある。それがたまたま、ある曲によって触発されたということだけで、それによってできた曲がまがいものだということにはならない。

 実際にこのようにして作られた曲が、ポップス史に残る名曲になったという例がたくさんある。その一例を紹介しよう。

 まずは右のプレーヤーの再生ボタンを押して、曲を聴いていただきたい。(短いです)
聴いたことがあるという方もいるだろうが、この曲は、1940年代にビング・クロスビー等が
歌ってヒットさせたジャズのスタンダード・ナンバー「YOU BELONG TO ME」である。
 日本でも50年代に、なぜかコメディアンのトニー谷が日本語訳されたバージョンを歌って
ヒットした。

 これを少しいじってみる。もともとメジャー・キー(長調)の曲なのだが、少しマイナー
(短調)の味付けをしてみよう。全部をマイナー・コードにせずに、出だしのコード「C」
を「Am」にして、最後のコード「G7」を「E7」にするだけにしてみる。
 右のプレーヤーで再生して聴いていただきたい。少々感じが変わったことに気づくだろう。
中間部のコードも少し変えているが、もともとのメロディーとの違和感はないだろう。
「ん?どっかで聴いた曲に似ているぞ!」と思った方はするどい!!


 出だしのコードをマイナーに変えたことで生じた曲の雰囲気の変化にあわせて、メロディー
ラインも少々いじったのが、このバージョンである。
 そう!おなじみの「メリー・ジェーン」だ!日本のロック界に残る名曲である。
 1971年につのだひろによって作られたこの曲は、私の記憶が正しければ、伝説のギタリスト
成毛滋(なるもしげる)と組んだスーパーバンド「フライド・エッグ」によって演奏されたは
ずである。
 ちなみにつのだひろ氏は、「うしろの百太郎」などで知られる漫画家つのだじろう氏の弟で
ある。
 それはおいといても、いっしょに流れている「YOU BELONG TO ME」のメロディーラインとあ
わせて聴いてみるとほとんど同じであることがわかるだろう。



 私は以上の点に気づいたので書いてみたのだが、だからといってつのだひろ氏が盗作をしたということにはならないと思う。

 つのだ氏も意図的にやったことではないと思うし、もともとジャズ・ドラマーとしてもすぐれた方なので、「YOU BELONG TO ME」は何度も演奏したことがあるだろうから、潜在的にそのメロディーが頭の中に残っていて、曲作りのときに影響したのかもしれない。

 似た曲を探すと枚挙にいとまがない。フォスターの「静かに眠れ(あるいは『主人は冷たい土の中に』という題でも呼ばれる)」
と、梁田貞作曲の童謡の名曲「とんび」。ラテンの名曲「クマーナ」と、レコード大賞をとった佐良直美の「いいじゃないの幸せならば」等々。(もっとも後者はテンポを変えただけの明らかな盗作のようだが)

 いろいろ書いてきたが、つまりは何を言いたいのかというと‥‥‥‥。

 少々、何かの曲に似ていようと、それでできた曲が、それ自体で原曲と別の感じのものになっており、完成度が高ければ、盗作うんぬんと問題にする必要はないということである。

 だから、私の作った曲が、どこかで聴いたことのある曲のような気がしても、深く考える必要はございません(^^;)

 もしかして、つのだひろ氏が、インターネットをやっていて、このページを見ることなんかはないでしょうね?本気で怒って、殴り込みにでも来られたら、あの体格(一度だけ現物を見たことがある。スゴイ!!)ですから私などひとたまりもないでしょう。間違ってもメールで本人に知らせたりしないでくださいね(^^;)

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