性差別と高校の校歌




 不当な性差別を学校教育からなくそうという考え方が広まってきている。

 「出席簿の順番を、男子が先で女子が後にするのはおかしい。男女混合名簿にすべきだ」という意見もあり、実際にそうしている学校も増えてきたようだ。

 ところが高校の校歌を聞くと、面白いことに気づく。

 古くは男子校だった高校で、現在は男女共学校になったところによく見られることなのだが、校歌の歌詞が男子校時代のものをそのまま使っていると高校が多いのだ。

 私の母校である秋田県立○○高等学校の場合もそうだった。

 歌詞の一節に次のような部分がある。

 「立て○○の健男児

 これはどう見ても男子のためだけの歌である。(○○高校は共学校である)

 高校に入学して、すぐにこのことに気づいた私は、生徒総会でそのことを発言した。

 「男女共学校なのだから、『健男女』と変えたらどうでしょうか?」

 しかし、1年坊主の発言は失笑をかったものの、まともに採り上げてもらえず、現在も校歌は「健男児」のままである。(「なるほど」という顔をしてくれた人も少しはいたが‥‥)


 もっとも「君が代」の歌詞も昔のままだが‥‥‥

 ただ、「君が代」の場合は、「君」を「君主」という意味にとらずに、「国民みんなの平和な時代」という意味に解釈すれば(ちょっと苦しい解釈ではあるが)それでいいのかもしれないが、「健男児」を「男女全員」と解釈するのは完全に無理があるように思える。

 共学校で学ぶ女の子は、こういった校歌を歌う時に、違和感を感じないのだろうか。こういう時代だから、わりと簡単に歌詞を(女子にもあったものに)変えることもできそうに思うのだが。


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