イタズラ電話撃退法



 悪質なイタズラ電話が増えているそうだ。

 無言電話や、よからぬことを口走る電話などが一般的だが、最近はかわったものもあるらしい。

 自分の声が返ってくるのだという。

 「もしもし」と言うと、少し遅れて、自分の声で「もしもし」と言うのが聞こえる。

 「あなた、誰なんですか?」と言うと、やはり自分の声が「あなた、誰なんですか?」

もしもし、こちらはイタズラ電話です‥‥

 遠くから聞こえるような小さな声だが、誰かが自分の話し方を真似ているのではなく、たしかに自分の声なのだそうだ。考えようによっては霊界からの電話のようで気味が悪い。夜中にかかってきたりしたら、背筋が寒くなるだろう。

 そういうイタズラ電話があることは聞いていたのだが、先日、うちにもそれらしい電話がかかってきた。私が出たわけではないので、はっきりとは言えないが、どうもその手の電話だったようだ。

 不思議なことだと言えなくもないが、ちょっと電気機械の心得がある人間なら、そういう働きをする道具を、わりと簡単に作ることができるだろう。

 古い方法だと、3ヘッドのオープンリールのテープレコーダーを使って、録音ヘッドを通ったテープをループして再生ヘッドに回せば「エコーマシン」の原理で、同じような現象を作れ出せる。

 それほど凝らなくても、この頃は、吹き込んだ音をすぐに再生するようなオモチャもあるから、それを使ってもイタズラは可能だ。



 仕組みさえわかれば、そんなに気味悪いことではない。ただ、問題なのは、そういう電話をかけてくる人間に、どう対応したらいいのかということだ。



 これも、発想を変えれば簡単だ。

 そのままにしておけばよいのである。

 通話時間がいくら長くなっても、自分の方に通話料はかからない。電話料金を負担するのは、かけてきた方である。

 そういう電話は、無理して切らないで、受話器を外したまま放っておく。近距離からの電話でも3分で10円。遠くからだとすると数10円。確実に相手のお金は失われる。

 まともに対応したり、こちらから電話を切ったりすれば、イタズラをする人間は面白がって何度も繰り返してくる。そんなのにかまわず、無視して相手の通話料だけを失わせるのがよい。

 そのうちに、相手も懲りて自分で電話を切るだろうし、二度とかけてこなくなるはずだ。少なくても自分の電話につながっているうちは他の人にイタズラ電話をかけることはできない。



 ただ、この方法にも、1つだけ問題がある。イタズラ電話がつながっているうちは、他の電話を受けることができないということだ。

 しかし、この問題も、ISDNをうまく使っていれば、大丈夫である(^^;)




 この文章を公開してから少しして、掲示板「千客万来ルーム」に、「私はこういうやり方をしています」という書き込みがあった。その方は、ホイッスル(体育の時間などに教師が吹くものである)を電話の脇に準備していて、無言電話などがきたら、受話器にむかって「ピーッ!」と吹くのだそうだ。受話器に耳をあてているイタズラ電話の主はたまったもんじゃないだろう。これも効果がありそうだ(^^;)

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